自動車メーカーは欧州では、試験場での排ガス検査の結果をごまかすために違法なソフトウエアを使う必要すらなかった。検査結果を調整する合法的な方法があるからだ。

  ドイツのフォルクスワーゲン(VW)がソフトウエアを使って米国での排ガス検査をごまかしていたことが発覚したことで、欧州の規制当局と政治家は域内の甘い検査プログラムの見直しを考えている。

  自動車メーカーから検査を請け負うドイツの会社、テュエフ・ズートによれば、エアコンを取り除くなどして車の重量を減らし検査結果を調整することを欧州連合(EU)の欧州委員会は認めている。こうした小細工のおかげで、検査の結果とディーゼル車が路上で実際に排出する排ガスの量には開きが生じて拡大したと、欧州委のルシア・カウデ報道官が明らかにした。

  同報道官は「何も不正をしなくても、ディーゼルエンジン車の路上での窒素酸化物排出量が検査での量よりはるかに多いということは可能だ」と電子メールで指摘した。

  欧州では現在、排ガス検査は試験場でしか行われていない。より厳格な路上走行検査が来年導入される予定だが、そこでの要件を満たす必要が生じるのは2017年半ばになってからで、ドイツのヘンドリクス環境・建設・原子力安全相はこのプロセスの前倒しを望むと述べた。また、バス・アイクハウト欧州議員(オランダ)は結果操作が容易な排ガス検査について、「このような人をばかにしたごまかし」に終止符を打たなければならないと声明で訴えた。

  欧州で検査を受ける車は「ゴールデンサンプル」と呼ばれ、実際に販売される車とは大きく異なると、テュエフ・ズートの広報担当、ビンセンツォ・ルカ氏が述べた。さまざまな搭載部分を外した後の車は通常、実際に販売される車よりも100-150キロ軽くなるという。

  「合法的に排ガス量を減らす手段が可能な限り利用される」と同氏は述べた。

  重さを軽くするほか、メーカーは検査用の車のために検査時と同じスピードと気温が設定された際に排ガスを少なめに抑える排気システムを設計していると、サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、マックス・ウォーバートン氏が22日のリポートに記述した。

原題:No Cheating Needed. Europe’s Lax Laws Make Diesel Tests a Snap(抜粋)

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