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【日本株週間展望】下値固め、高変動率の中で国内勢買い支え

9月2週(7-11日)の日本株は下値を固め る展開となりそうだ。中国経済の動向、米国利上げ時期の不透明感から 世界的な市場混乱への警戒は根強く、ボラティリティは引き続き高くな る見通し。ただ、日本企業の業績安定感やガバナンス改革への評価で国 内個人や年金資金は下値を買っており、相場全般を支える。

第1週の日経平均株価は7%安の1万7792円16銭と4週続落。2月 以来の安値に沈むと同時に、週間下落率は2014年4月以来の大きさだっ た。中国の製造業関連統計の低調などを背景に世界経済の先行き懸念が くすぶる中、海外勢を中心としたリスク資産圧縮の動きが続き、週末に は為替市場で対ユーロを中心に円高が進んだことも嫌気された。

東証が3日に公表したデータによると、海外投資家は8月月間で現 物株を1兆1582億円売り越し、売越額は昨年1月以来の大きさに膨らん だ。一方、個人や投資信託のほか、年金基金の動きを含む信託銀行は買 い越し。野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト は、「海外勢のリスク回避の一方で国内勢の買いがあり、下がれば長期 資金の買いが入る」とみている。

国内勢が下値を買う要因の1つは、国内企業業績への安心感だ。大 和証券が3日にまとめた最新予想では、日経平均ベースで15年度経常利 益は13%増、16年度は6%増となっている。このほかの売買材料は、国 内で8日に4-6月期国内総生産(GDP)の改定値と8月の景気ウオ ッチャー調査、11日に7-9月期法人企業景気予測調査が公表予定で、 先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)算出も11日にある。3、 4両日が祝日休場だった中国上海市場の取引が再開し、週前半は先物や 中国株動向に左右されそうだ。

≪市場関係者の見方≫
●DIAMアセットマネジメントのアセットアロケーショングループ
岩間恒グループリーダー
  下値でのもみ合いとなりそう。株価下落で数カ月前に比べれば買い
やすい水準だが、資金のタイト化でクレジット周りが厳しく、グローバ
ルに資金を手当てしづらい状況。下落過程でブルファンドの買いが入っ
たことで上値も重い。押し目買いは慎重にならざるを得ない。

●三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  中国経済はまだ不透明感が強い。景気が持ち直しているか、月次の
経済指標を1つずつみていく必要があり、安心感が出るにはまだ時間が
かかる。だが、日経平均株価の二番底は付けた。新たな悪材料が出れ
ば、下値リスクも考えなければならないが、今の材料の範囲では切り返
しを期待したい。1万8000円台での値固めを試す展開となろう。

●ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  過去の米国の利上げ時は、利上げに向け米投資家の恐怖心理を示す
シカゴ・ボラティリティ指数(VIX)が下がっていく傾向にあった。
現在VIXは高水準だが、過去と同じようになれば、買いは入れやすく
なる。急反発するかはともかく、日経平均は実力を伴って2万円に向け
緩やかに上昇していこう。上海市場が休みだった影響から、中国株を見
て動かされる可能性はあるが、下値固めていく展開になる。

--取材協力:長谷川敏郎.

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