8月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロと円の相関関係強まる-不透明感で逃避需要

ユーロの「円化」が顕著になっている。

中国経済減速の深刻さや米利上げ開始時期をめぐって不透明が広がる 中、8月のユーロは円とともに上昇。先週の世界的な株価下落の後、両 通貨の相関関係は2007年初め以降で最も強くなった。

CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパン・ラ イ氏は「多くの投資家が忘れてしまっていることだが、ユーロは歴史的 に安全通貨だ」と指摘。「アジアから中国の人民元切り下げというショ ックの波が押し寄せている。そうした状況においては、資金はより安全 な通貨に流れがちだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前週末比0.2%高 の1ユーロ=1.1211ドル。8月は2.1%高と、4月以来で最大の上昇 率。

円は対ドルで0.4%上げて1ドル=121円22銭。8月は2.2%上昇 し、2014年1月以降で最大の上げとなった。

ユーロと円

米国の利上げ開始時期をめぐりさまざまな観測が広がる中、中国ウォッ チャーらは同国経済がソフトランディングできるかどうかに注目してい る。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロと円の過去1カ月間のパ フォーマンスは、スイス・フランやドルといった他の安全通貨を上回っ ている。ユーロと円の相関度は0.64に上昇した。相関度が1になると、 両通貨が同方向に同じペースで進んでいることを意味する。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア為替ストラテジスト、エルサ・ リグノス氏は「理にかなった動きだ」とし、「リスク回避の時の取引動 向をみると、多くの投資家はポジションを軽くする。つまりポジション が極めて多く、また大きくショートになっている通貨がアウトパフォー ムしやすいということだ」と続けた。

ヘッジファンドなど大口投機家によるユーロのネットショートは3月に ピークを付けた後に減少し、先週には14年7月以来の低水準となった。 円のネットショートは8月25日の週に約3カ月ぶり低水準に縮小した。

米国では今週、製造業景況指数や雇用統計が発表される。エコノミスト 調査では、4日発表される8月の非農業部門雇用者数は21万8000人増が 見込まれている。米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議 長は29日、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げの可 能性を排除しないことを示唆した。

コメルツ銀行の為替ストラテジスト、トゥ・ラン・ニュエン氏(フラン クフルト在勤)は「為替市場ではこれからもリスク要因が大きな材料と なるだろう」とし、「こうした状況の中で、リスク回避の動きから特に ユーロと円が支援される。両通貨とも現在は究極の逃避先と考えられて いる」と続けた。

原題:Euro Is the New Yen as Correlation Hits 8-Year High on Haven Bid(抜粋)

◎米国株:S&P500、月間で3年ぶり大幅安-世界経済の減速懸念で

31日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は月間ベースで約3年 ぶりの大幅安となった。世界経済の成長鈍化懸念と早ければ9月にも実 施される利上げの影響が嫌気された。

メルクとセルジーンが大きく下げ、ヘルスケア株全体を抑えた。ヤフー とフェイスブックを中心にハイテク株も安い。エネルギー銘柄は原油高 を背景に上げに転じた。コンソル・エナジーやコノコフィリップスは大 幅高。資産家ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシ ャー・ハサウェイが約45億ドル(約5450億円)相当の株式を保有してい ることが明らかになった製油会社のフィリップス66は2.4%高。一方、 バークシャーは1.3%下落。

S&P500種は前週末比0.8 %下落して1972.18。 月間ベースでは2012 年5月以来の大幅安となった。ダウ工業株30種平均はこの日、114.98ド ル(0.7%)下げて16528.03ドル。月間では10年5月以降で最大の下 げ。

コニファー・セキュリティーズの株式トレーダー、スティーブ・ボンバ ルディア氏は「今の市場はかなり感情的だ。朝、来てみたら欧州やアジ アで何かが起こっており、それがわれわれを動かしている。調整局面で 買いを入れたかった参加者は多かったが、前週の小休止の後、調整がど の程度続くかを考えている状態だ」と述べた。

S&P500種のエネルギー株指数が2.5%安から戻し、一時は1.4%上昇 すると、株式相場全体も下げ渋る場面があった。原油相場の大幅高が背 景にある。石油輸出国機構(OPEC)が「適正価格」を達成するため に他の生産国と交渉する用意があると表明したことに加え、米エネルギ ー情報局(EIA)が原油生産見通しを下方修正したことが原油相場を 押し上げた。

S&P500種は8月を6.3%安で終えた。中国の人民元切り下げに端を発 した世界的な成長懸念を受け、5兆3000億ドルを超える時価総額が世界 全体で吹き飛んだ。前週のS&P500種は0.9%高で終えたが、一時 は2011年以来の大幅安となり、調整局面入りする場面もあった。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は9.1%上昇の28.43。市場の変動の激しさを示す同指数は月 間で過去最大の135%上昇した。米市場では7月末から先週の安値水準 に下げる間に2兆ドルを超える時価総額が消失した。ブルームバーグが まとめたデータによると、これはS&P500種構成企業のほぼ2年分の 利益に相当する。

S&P500種は8月としては2001年以来で最悪の月となり、ダウ平均 は6.6%下落し、1998年8月(15%安)以来の大幅安。

今月の株価混乱にもかかわらず、米連邦準備制度理事会(FRB)のフ ィッシャー副議長は9月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)会 合での利上げを当局が排除していないことを示唆した。同副議長は「イ ンフレ率が高まると信じる正当な理由がある」と話した。金利先物市場 が織り込んでいる9月利上げの確率は40%と、26日の25%前後から上昇 した。

ライノ・トレーディング・パートナーズ(ニューヨーク)のチーフ株式 ストラテジスト、マイケル・ブロック氏は「8月は誰にとっても厳しい 月だった。フィッシャー副議長が早ければ9月の利上げの可能性に言及 したため、当局がボラティリティを気にせず、市場が自力で対処しなけ ればならないとの懸念がやや広がっている。利上げは株式には良いこと だと言えるかもしれないが、不透明感は強く、市場は判断しかねてい る。それが不安材料だ」と指摘した。

31日はS&P500種の10セクターのうち9セクターが下落。公益事業や ヘルスケア、資本財の下げが目立った。一方、エネルギー株は1.1%上 昇。

原題:U.S. Stocks Decline as S&P 500 Posts Worst Month Since May 2012(抜粋)

◎米国債:利回り上昇、原油価格の急伸でインフレ期待が持ち直す

31日の米国債相場は下落。原油価格の大幅上昇でインフレ期待が持ち直 した。

2年債利回りは6月以来で最長の5営業日連続上昇。原油価格の3日間 での上げ幅は過去25年間で最大だった。これを受けて低インフレが長期 化するとの懸念が和らいだ。石油輸出国機構(OPEC)が「適正価 格」を達成するために他の生産国と交渉する用意があると表明したこと が原油の買い材料となった。また米国政府が原油の生産見通しを引き下 げたことも手掛かりだった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・クレジット担当責 任者、トーマス・ディガロマ氏は「誰もがインフレは問題ではないと考 えていたが、ここで突然原油が急伸し、債券価格を押し下げる主な材料 となっている。ただ原油相場はショートスクイ ーズ(踏み上げ)のよ うに見受けられる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後 5時現在の10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇して2.22%。2年債利回りは2bp上昇の0.74%。

ブルームバーグ米国債指数は28日の時点で月間ベースで0.1%上昇。年 間では1%上昇となっている。

償還期限の短い国債の方が比較的悪いパフォーマンスとなった。ワイオ ミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の年次 シンポジウムに出席した当局者の発言を受け、9月利上げの可能性は依 然残されているとの見方が強まった。

月間ベースで2年債利回りは5カ月連続で上昇。これは金融当局が最後 に政策金利を引き上げた2006年以来で初となる。

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%になる との仮定に基づけば、市場に反映されている9月会合での利上げ確率 は40%と、8月18日以来の高水準。

原題:Treasuries Pare Gains as Oil Rebound Soothes Inflation Concern(抜粋)

◎NY金:反落、FRB副議長発言受け年内利上げへの警戒強まる

31日のニューヨーク金先物相場は反落。ここ6営業日で5度目の下落と なった。フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長の発言を 受けて、年内の利上げに関する警戒が再び強まった。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレクタ ー、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、フィッシャー副議長のコメ ントは「予想されていたよりも若干タカ派的だった」と指摘。「FRB 副議長が利上げに対して前向きならば、意外に早く利上げが実施される 可能性が高まる。金相場の今の反応はそれが一因になっているのだろ う」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限 は前週末比0.1%安の1オンス=1132.50ドルで終了。

銀先物12月は0.3%高の14.586ドル。プラチナ先物10月限は1.1%下落 の1010.50ドル。パラジウム先物12月限は2.1%上昇の602.25ドル。

原題:Gold Falls Fifth Time in Six Sessions on Revived Rate Concerns(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸で強気相場入り、OPECが交渉の用意

31日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミディエ ート(WTI)先物は大幅続伸。石油輸出国機構(OPEC)が「適正 価格」を達成するために他の生産国と交渉する用意があると表明したこ とを受け、買いが膨らんだ。米エネルギー情報局(EIA)が原油生産 見通しを下方修正したことも、相場を支えた。

3日間での上げ幅は過去25年間で最大の27%に達し、イラクがクウェー トを侵攻した1990年8月以来の値上がり率。今年8月24日の終値ベース での安値からの上げは20%を超え、強気相場に入った。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナリス ト、フィル・フリン氏は電話取材に対し、「2つのニュースが相場の方 向を変えた」と指摘。「EIAは米生産見通しを下方修正し、OPEC は減産について話しあう用意があると述べた」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前週 末比3.98ドル(8.80%)高い1バレル=49.20ドルで終了。終値として は7月21日以来の高値。

原題:Oil Caps Biggest Three-Day Gain Since 1990 as OPEC Ready to Talk(抜粋)

◎欧州株:下落、月間では2011年以来の大幅安-中国や米金利観測で

31日の欧州株式相場は下落。米金利見通しや中国の相場下支えの成否を めぐる懸念を背景に、8月は月間ベースで約4年ぶりの大幅下落となっ た。

ストックス600指数は前週末比0.1%安の362.79で終了。一時は0.7%安 となったが、8月のユーロ圏インフレ率が市場予想を上回った後に下げ を縮めた。ロンドン市場は英祝日で休場。取引高は30日平均を約56%下 回った。

MPPM(独エップシュタイン)で資産運用に携わるギレルモ・ヘルナ ンデス・サンペレ氏はカンザスシティー連銀主催のシンポジウムに言及 し、「ジャクソンホールからはまだ明確なメッセージが出ていない。市 場はそれを待っている」と述べた。「最近のボラティリティから生じた パニックが、投資家を市場から遠ざけている」と述べ、ロンドンが休場 していることも出来高に影響していると指摘した。

ストックス600指数は前月末比では8.5%安。中国経済の弱さや世界経済 が米利上げに耐えられるかとの懸念を背景に、世界の株式市場では今 月、時価総額にして5兆ドル以上が失われた。

この日は個別銘柄ではイタリアのENIが1.5%上昇。エジプト沖で 「超巨大」天然ガス鉱床を発見したと発表した。

原題:Europe Stocks Post Worst Month Since 2011 on Fed, China Concern(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、インフレ期待に改善の兆し-原油上昇も影響

31日の欧州債市場では、ドイツ国債が下落。一時は上昇していたが反転 した。ユーロ圏のインフレ率は加速する可能性があるとの見方や原油価 格の上昇が背景。

この日は英国が祝日だった。ドイツ10年債利回りは1週間ぶりの大 幅上昇。原油相場は1カ月ぶりの高値に急伸した。石油輸出国機構 (OPEC)が「適正価格」を達成するために他の生産諸国と交渉する 用意は整っていると明らかにしたほか、米政府は原油生産見通しを引き 下げた。

コメルツ銀のシニア金利ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 は「インフレ期待は少なくとも一時的に回復している」とし、それがこ うした動きを「促しているようだ」と指摘。相場下落は英国祝日で流動 性が比較的低いことで増幅された可能性があると述べた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前週末比6ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.80%。同国債(表面利 率1%、2025年8月償還)価格は0.545下げて101.925。利回りは8月25 日に14bp上昇して以来の大幅な上げとなった。

原題:German Bonds Drop as Inflation Expectations Show Recovery Sign(抜粋)