ゴールドマン:VIXはもっと低いはずーリセッションでない

時代はすっかり変わった。過去1 年のほとんどは市場のボラティリティ(変動性)が極めて低い水準にあ ることが話題だったが、先週このトレンドに急ブレーキがかかった。シ カゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX) が金融危機時以来見られなかった水準に急上昇したのだ。

先週24日はめまぐるしい日で、S&P500種株価指数のオプション のスプレッドが通常の16倍に拡大した中、VIXは取引開始から約30分 間にわたり値が付かず、ようやくスイッチが入ったときには一時90%上 昇して53.29に急伸した。その後週末までには20台半ばに戻ったもの の、ゴールドマン・サックスはこの水準でもまだ高過ぎると指摘してい る。

ゴールドマンの分析では、VIXが極端な水準に達することは周期 的に起きるものの、20台後半から30台前半の状況が長期間続くことはリ セッション(景気後退)以外ではまれであることが示されているとい う。

同社の株式デリバティブ(金融派生商品)ストラテジストらは米経 済がリセッション状態にはないと指摘。4-6月(第2四半期)の米実 質国内総生産(GDP)は3.7%増に改定され、7-9月(第3四半 期)GDPは2.3%増の見通しであるため、VIXには経済情勢への過 度の不安が織り込まれており、少なくとも2ポイントは低いはずだと試 算している。

また、ボラティリティ・トレーディングの世界が近年大きく変化し たことに留意する価値はある。投資家がボラティリティの先行きを臆測 する際に利用できるVIX関連商品が多く存在する上、クオンツ分析を 重視する大勢の投資家がボラティリティ市場のボラティリティでプレー している。

実際、JPモルガン・チェースのアナリストは先週、VIXが上昇 している理由について異なるアプローチを取った。マルコ・コラノビッ ク氏率いるチームのリポートは、株価の大きな動きを増幅したのはファ ンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)よりもむしろ、「トレンドを追 いかける戦略やリスクパリティ・ポートフォリオ、ボラティリティ・マ ネージド戦略」を採用する価格感度の低いトレーダーがヘッジを急いだ ことが要因だと分析した。

S&P500種は24日に一時5.3%下落したが、このような急激な変動 をきっかけにコンピューター取引で売買が膨らみ、経済や企業業績で正 当化される水準を超えた価格変動になるとコラノビック氏は論じた。

ゴールドマンとは異なりJPモルガンは、このような状況ではボラ ティリティがしばらくは高止まりすると予想する。

原題:Goldman Sachs Thinks This Volatility Index Should Be Much Lower (抜粋)

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