NY外為:ユーロと円の相関関係強まる-不透明感で逃避需要

更新日時
  • ユーロ、円ともに8月の月間ベースでの値上がり率は約2%
  • 中国や米金融政策をめぐる不透明感から安全資産は恩恵受けている

ユーロの「円化」が顕著になっている。

  中国経済減速の深刻さや米利上げ開始時期をめぐって不透明が広がる中、8月のユーロは円とともに上昇。先週の世界的な株価下落の後、両通貨の相関関係は2007年初め以降で最も強くなった。

  CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパン・ライ氏は「多くの投資家が忘れてしまっていることだが、ユーロは歴史的に安全通貨だ」と指摘。「アジアから中国の人民元切り下げというショックの波が押し寄せている。そうした状況においては、資金はより安全な通貨に流れがちだ」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前週末比0.2%高の1ユーロ=1.1211ドル。8月は2.1%高と、4月以来で最大の上昇率。

  円は対ドルで0.4%上げて1ドル=121円22銭。8月は2.2%上昇し、2014年1月以降で最大の上げとなった。 

ユーロと円

  米国の利上げ開始時期をめぐりさまざまな観測が広がる中、中国ウォッチャーらは同国経済がソフトランディングできるかどうかに注目している。

  ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロと円の過去1カ月間のパフォーマンスは、スイス・フランやドルといった他の安全通貨を上回っている。ユーロと円の相関度は0.64に上昇した。相関度が1になると、両通貨が同方向に同じペースで進んでいることを意味する。

  RBCキャピタル・マーケッツのシニア為替ストラテジスト、エルサ・リグノス氏は「理にかなった動きだ」とし、「リスク回避の時の取引動向をみると、多くの投資家はポジションを軽くする。つまりポジションが極めて多く、また大きくショートになっている通貨がアウトパフォームしやすいということだ」と続けた。

  ヘッジファンドなど大口投機家によるユーロのネットショートは3月にピークを付けた後に減少し、先週には14年7月以来の低水準となった。円のネットショートは8月25日の週に約3カ月ぶり低水準に縮小した。

  米国では今週、製造業景況指数や雇用統計が発表される。エコノミスト調査では、4日発表される8月の非農業部門雇用者数は21万8000人増が見込まれている。米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は29日、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げの可能性を排除しないことを示唆した。

  コメルツ銀行の為替ストラテジスト、トゥ・ラン・ニュエン氏(フランクフルト在勤)は「為替市場ではこれからもリスク要因が大きな材料となるだろう」とし、「こうした状況の中で、リスク回避の動きから特にユーロと円が支援される。両通貨とも現在は究極の逃避先と考えられている」と続けた。
  
原題:Euro Is the New Yen as Correlation Hits 8-Year High on Haven Bid(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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