中国主席、軍事パレードで権力誇示へ-周辺国の憂慮強まる恐れ

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  • 習近平国家主席は世界の平和的発展へのコミットメント宣言へ
  • 1万2000人の隊列で習国家主席の最高司令官としての地位示す機会に

中国・北京では9月3日、天安門と天安門広場に挟まれた目抜き通り、長安街を舞台に政府主催の「抗日戦争勝利70年」を記念する軍事パレードが行われ、習近平国家主席は世界の平和的発展へのコミットメントを宣言する。

  だが、中国が東シナ海からインド洋にかけて軍事力を誇示する現状で、近隣の国々にとってそうしたメッセージをうのみにするのは困難だろう。周辺国・地域の神経を逆なでしてきたような多くの演出がパレードでは行われる。

  習主席が中国の復活に向けた「チャイニーズ・ドリーム」の中心に据える軍事力の粋として、1万2000人の兵力と米本土を狙った核弾頭運搬が可能な移動式弾道ミサイル発射装置や新型戦闘機がパレードの目玉となる。

  キャンベラにあるオーストラリア国立大学国家安全保障カレッジのトップ、ローリー・メドカルフ氏は「国際社会に対し、中国は侮ることができない新興の大国であると極めて露骨に知らしめることになる。既に周辺地域に広がる不安を和らげることにはならない」と語った。

  2012年に最高指導者の地位に就いた習主席にとって、3日のパレードは最高司令官として公の場に姿を現す最初の機会となり、中国経済の減速や株価下落、150人以上が死亡した天津の爆発事故から関心をそらすイベントにもなりそうだ。

国内向けの方が重要

  習主席が指揮するのは世界第2の国防予算を誇る戦闘部隊だ。過去10年間で2倍余りに膨らんだ同予算は、特に海軍力の増強に重点を置き、周辺地域を警戒させて過去数十年で最大の防衛力強化に向けた動きを刺激することになった。

  一方、習主席にとっては、海外がパレードをどのように受け止めるかよりも、同イベントが中国の国民に対し自国の国力や指導者の権力について何を伝えるかの方が重要だ。

  北京理工大学の胡星斗教授(経済学)は「それは権力を一段と強化する方法だ」と話す。「対内的には習氏のリーダーシップの下での連帯と力強さを示すことを意図し、対外的には国際舞台での中国の政治的立場の高まりを物語るものとしてパレードを活用したい考えだ」と同教授は解説した。

  香港中文大学のウィリー・ラム非常勤教授は、共産党への支持の主要な源である経済成長に陰りが見える中で、こうした力の誇示は習主席が国家の威信を発揚するのに寄与するかもしれないとの見方を示した。

原題:Xi’s Military Parade Fans Unease in Region Already Wary of China(抜粋)

(6段落目以降を追加して更新します.)
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