債券トレーダーとエコノミストの見解分かれる-米利上げ時期で

  • トレーダーは低インフレと成長鈍化で利上げ時期遅れると予想
  • エコノミストは力強い経済成長を根拠に早期利上げ見込む

ドイツ銀行は米利上げが9月に実施されると予測しているが、この見方には同行内部からも異論が出ている。

  利上げ時期については金融業界全般と同様、ドイツ銀行内部でも意見が分かれており、エコノミストが9月利上げという同行としての公式見解に同意するのに対し、金利ストラテジストのドミニク・コンスタム氏は来年までずれ込む可能性があると指摘する。

  コンスタム氏はインタビューで、「連邦準備制度の年内の利上げ実施は難航すると以前から思っていた」と語った。

  このような分裂が浮き彫りにするのは、債券市場の分析に基づいて米成長を予測する人と、経済指標を重視する人の間で見解の隔たりが広がっていることだ。

  世界の市場を揺るがした中国株急落と商品相場安を背景に世界的な成長鈍化懸念が深まる中、債券トレーダーはインフレ期待を後退させた。トレーダーは年内の利上げ確率を50%をやや上回る程度とみている。

  これに対し、エコノミストの大半は雇用と支出が引き続く上向いているとして、利上げを先延ばしする必要はないと考えている。ブルームバーグが8月に実施した調査によれば、エコノミストの4分の3が、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の上限が0.5%に引き上げられるだろうと回答した。予想中央値では向こう1年間でさらに4回の追加利上げが予想されている。

  しかし債券市場は異なる見通しを示唆している。トレーダーらは、中国の人民元切り下げなどが要因となった先週の市場混乱のかなり以前から、米国はインフレ進行を促すような成長がますます困難になっていると示唆していた。

  トレーダーらは混乱のさなかに米国債を購入。10年債利回りは6月中旬から8月中旬の間に0.5ポイント強低下し、金融当局の目標であるインフレ率2%が今後10年以内に達成される可能性をトレーダーらがいかに低くみているかが示された。トレーダーのインフレ見通しの指標となる、10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は先週1.44%まで縮小。米国がこの数十年間で最悪のリセッション(景気後退)のただ中にあった2009年5月以来の低水準となった。

原題:Bond Market Anxieties Divide Wall Street on What’s Next for Fed(抜粋)

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