債券上昇、株安や景気先行き懸念で買い優勢-先物は3日ぶり高値

更新日時

債券相場は上昇。7月の鉱工業生産が市場の 予想に反してマイナスとなったことなどから、景気の先行きに対する懸 念や日本株の下落が買いを後押しする格好となった。

31日の長期国債先物市場で、中心限月の9月物は前週末比1銭高 の147円90銭で取引を開始。その後、じりじりと水準を切り上げ、午後 に日本株が下落幅を拡大すると、一時3営業日ぶりの高値となる148 円00銭を付けた。結局、7銭高の147円96銭で取引を終えた。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「株式 市場の下落、国内総生産(GDP)の2四半期連続マイナス成長リスク や追加緩和への思惑などから、債券市場はしっかり」と説明。日経平均 株価がもう一度、先週の安値を試す展開となれば、10年債利回り の0.35%割れも想定されると話した。

経済産業省が朝方発表した7月の鉱工業生産指数(速報値)は前月 比0.6%低下と、ブルームバーグがまとめた市場予想の0.1%上昇(中央 値)に反して、マイナスに転じた。

東京株式相場は下落。国際金融市場の混乱や米国の利上げ動向に不 透明感が広がる中、日経平均株価は午後に下げ幅が前週末比2%を超え る場面もあった。結局は、245円84銭(1.3%)安の1万8890円48銭で引 けた。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、鉱工業生 産の結果が「心理的な債券高・株安要因」になっていると指摘。今週は 中国や米国の経済指標を見極めながら、日本の10年債利回りは方向感の 出にくいタイミングながら、「基本的には0.4%台の買いを支えに0.35 -0.40%のレンジを形成しそう」とみる。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債は前 週末午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低い0.375%で 取引を開始し、その後も同水準で推移している。

日本銀行が実施した今月10回目となる長期国債の買い入れオペ(総 額1兆1800億円)の結果は、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率 が4.02倍と、前回の5.20倍を下回った。一方、「3年超5年以下」 は3.66倍(前回3.48倍)、「10年超25年以下」は3.43倍(同3.04倍)、 「25年超」は4.27倍(同3.78倍)だった。

BNPパリバの藤木氏は、日銀のオペで超長期の応札倍率が上がっ たことで、「やや超長期債が緩む形になっている」と指摘した。新発20 年物国債の153回債利回りは前週末比0.5bp低い1.135%で取引を開始し た後、一時は1.130%と、4営業日ぶりの水準まで切り下げていたが、 午後には0.5bp高い1.145%を付けている。

あすは10年利付国債の入札が実施される。償還日が前回の339回債 より3カ月延びるため新しい回号となり、表面利率(クーポン)は据え 置きの0.4%が見込まれている。発行予定額は前回債と同額の2兆4000 億円。

メリルリンチ日本証の大﨑氏は、10年債入札は無難の公算とし、 「新発債の発行のため利回り0.4%が見込め、その水準であれば日銀ト レード狙いで相応の需要あり」と予想する。

--取材協力:赤間信行、池田祐美、酒井大輔.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE