米英欧の金融当局者、成長と物価上昇を楽観-市場は懐疑的

米国と欧州では成長が力強さを増すことでイ ンフレ率が押し上げられるとの見通しを3人の中央銀行当局者が示し た。3人とも、物価上昇率を過度の低水準に抑えている逆風の下から抜 け出すことができると自信を表明した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長と欧州中央 銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁、イングランド銀行(英中銀) のカーニー総裁は8月29日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開か れたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでそれぞれ発言し た。

フィッシャー副議長は「インフレ期待の安定が明白な中で、物価を 抑制している要因がさらに解消されるにつれて、インフレ率が高まると 信じる正当な理由がある」と語った。

同副議長はさらに、「インフレ率が低水準なため、緩和策を緩やか なペースで解消することが恐らく可能だ」と指摘した上で、「金融政策 が実体経済に影響を与えるにはかなりのラグ(遅れ)があるため、われ われは引き締め開始でインフレ率が2%に戻るのを待つべきではない」 と述べた。

フィッシャー副議長は9月16、17両日の連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げを決める可能性を残したが、そのような早期の行 動が望ましいと自身が考えているかどうかについては示唆を与えなかっ た。

市場はより悲観的

コンスタンシオ副総裁は「インフレと実際の活動の関連が最近ユー ロ圏で強まっているようだ」と指摘。「われわれの政策が需給ギャップ を大幅に縮小できるとすれば、インフレ率を目標近くに回復させるのを 支援する大きな影響力に期待できる」と述べた。

投資家はこうした楽観的な見方を共有していないようだ。ユーロ圏 の5年後から5年間の平均期待インフレ率を示すインフレスワップ・フ ォワードレート(5Y5Y)は8月に約1.65%に低下した。これは ECBが3月に量的緩和(QE)プログラムを始めた時とほぼ同程度の 低水準。月初時点では約1.85%だった。

米国の同様の指標も8月24日時点で1.89%と、月初の2.16%から低 下した。

英中銀のカーニー総裁は経済が「持続的な勢いを維持する見通し」 やインフレ圧力の緩やかな持ち直しにより、「金融政策を徐々に正常化 するプロセスの開始に関する判断は、年末ごろにはより鮮明になる公算 が大きい」と述べた。

同総裁は中国の景気減速を含む「最近の出来事」について、これま でのところインフレ目標の達成に向けた英中銀戦略の変更を必要とする ものにはなっていないと指摘した。英国の7月のインフレ率は0.1% と、中銀目標の2%を大きく下回っている。

原題:Fed, ECB, BOE Officials All Say They See Inflation Rising (1)(抜粋)