日本株4日ぶり反落、米利上げと中国不透明-輸出、素材中心

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31日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。 米国の利上げ動向、中国発の世界的な金融市場混乱に対する不透明感が 拭えず、日本の鉱工業生産の低調も嫌気された。機械や輸送用機器など 輸出関連、鉄鋼や非鉄金属など素材関連、銀行株中心に安い。

TOPIXの終値は前週末比12.75ポイント(0.8%)安 の1537.05、日経平均株価は245円84銭(1.3%)安の1万8890円48銭。

ピクテ投信の松元浩常務執行役員は、「中国経済がどこまで下がる か分からない。これから入るであろう企業業績の下方修正が読めない状 況では、バリエーションを見ても高いか安いのか分からず、手探りの状 態」と言う。現時点ではテクニカル、チャートをみて売買するしかな く、「半値戻しの手前までいき、一度手じまおうとする動きも出やす い」と話していた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は29日、ワ イオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の シンポジウムで講演し、「インフレ期待の安定が明白な中、物価を抑制 している要因がさらに解消されるに連れ、インフレ率が高まると信じる 正当な理由がある」と発言。利上げをいつ開始すべきかには触れなかっ たが、「金融政策が実体経済に影響を与えるにはかなりのラグがあるた め、われわれは引き締め開始でインフレ率が2%に戻るのを待つべきで はない」と述べた。

他の米金融当局者らも、市場混乱には留意しているものの、米経済 は利上げが正当化される程度に力強いとの考えを示している。岡三証券 の平川昇二チーフエクイティストラテジストは、「9月にやらなくて も、12月にまた市場が揺れ始めるというところから、できれば早めにや っておきたいというのが一つの見方ではないか」と指摘。米国株と同 様、9月に米利上げがあるなら、「まだ株は売られるかもしれないとい う発想がマイナス要因になる」としている。

東京市場で円強含み、日中マクロに懸念も

週明けのドル・円相場は午後に入り一時1ドル=120円88銭と、前 週末のニューヨーク市場での121円台後半からドル安・円高方向で取引 された。きょうの中国上海総合指数は一時3.8%安まで下げ、中国株波 乱への警戒もなおくすぶる。

中国当局は大規模な株式の買い支えを通じて株価を押し上げる努力 を今後は見送る方針を決めた、と英紙フィナンシャル・タイムズのオン ライン版が報道。米ゴールドマン・サックスは2016年の中国の国内総生 産(GDP)予想を従来の6.7%増から6.4%増、17年を6.5%増か ら6.1%増に下方修正した。

一方、経済産業省がけさ発表した日本の7月の鉱工業生産(速報 値)は、前月比0.6%低下と2カ月ぶりのマイナスだった。市場予想 は0.1%の上昇。中国向けの電子部品・デバイスがマイナスで、製造工 業生産予測指数は8月が2.8%上昇、9月は1.7%低下となった。バーク レイズ証券の永井祐一郎エコノミストは、8月予測指数は振れやすい情 報通信機械などによってかさ上げされている可能性を指摘。予測指数自 体の下振れが続いていることも踏まえ、7-9月生産は前期比横ばい程 度にとどまる可能性が高まってきたとみる。

東証1部33業種は鉄鋼、機械、非鉄、銀行、輸送用機器、海運、化 学、電機など25業種が下落。鉄鋼は、野村証券が日本の鉄鋼輸出価格の 動向に先行する中国の鋼材スプレッドは8月に入ってからも小幅な悪化 が続き、業績面でのリスク要因と指摘した。その他製品、パルプ・紙、 食料品、金属製品など8業種は上昇。東証1部の売買高は24億7360万 株、売買代金は2兆7460億円。上昇銘柄数は918、下落は897。

売買代金上位ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グル ープ、ファーストリテイリング、ファナック、キーエンス、オリエンタ ルランド、コマツ、新日鉄住金が安く、MSCI指数からきょうの引け 時点で除外されるジャパンディスプレイ、アドバンテストの下げもきつ い。これに対し、任天堂やエーザイ、銭高組は上げ、ゴールドマン・サ ックス証券が投資判断を上げた富士通も高い。

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