8月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FRB副議長が米経済は良好と発言

28日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。米連邦準備制度 理事会(FRB)のフィッシャー副議長が米経済の改善ペースを示すリ ポートには「目を見張るものがある」と述べたことから、世界的な市場 のボラティリティにもかかわらず、年内に利上げが実施されるとの観測 が強まった。

ドルは週間ベースで円を除く主要10カ国(G10)通貨すべてに対し て上昇。他の米金融当局者らも市場混乱には留意しているものの、米経 済は利上げが正当化される程度に力強いとの考えを示した。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ドルはユーロと円 の両方に対して非常に魅力的に見える」と話した。フィッシャー副議長 のコメントについて、同氏は「9月利上げの確率が実際のところ高くな ったことを示唆している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.5%高 の1ユーロ=1.1185ドル。週間ベースでは1.8%高と、7月17日以来の 大幅上昇。ドルは対円で前日比0.6%上げて1ドル=121円71銭。週間で は0.3%安。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、12月の連邦公開市場委員会 (FOMC)かそれより前に利上げが決定される確率は59%として金利 先物市場は織り込んでいる。25日時点の46%から上昇した。9月 FOMCでの同確率は38%。25日時点では26%だった。

「一段と堅調」

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「米国のファンダメン タルズに焦点が絞られるにつれ、ドルは一段と堅調になるだろう」と述 べた。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドなど大口投機家によるドルのネットロングは25日までの1週間に32 万6990枚と、7週間ぶりの低水準となった。前週は38万3762枚だった。

米商務省の発表によると、7月の米個人消費支出(PCE)は前月 比で0.3%増。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想の中央値 は0.4%増だった。賃金・給与は0.5%増と、昨年11月以来で最も伸び た。

セントルイス連銀のブラード総裁やクリーブランド連銀のメスター 総裁などのFOMC当局者らは、米経済の累積的な伸びは力強く、こう した状況は続くとの見通しを示した。最近の市場の動きを重視する姿勢 も示した。アトランタ連銀のロックハート総裁は今月に入ってリスクは 高まったものの、米経済の動向は「極めて堅調」だと話した。総裁らは カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムが開かれているワイオミ ング州ジャクソンホールでインタビューに応じた。

フィッシャー副議長は米経済専門局CNBCとのインタビューで、 9月利上げの選択肢を残した。

原題:Dollar Rises as Fed’s Fischer Says U.S. Economy Working Well(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、過去数日の激しい値動き後に一服

28日の米国株はほぼ変わらず。S&P500種株価指数は月間ベース で2012年5月以来最悪のパフォーマンスとなる見通しだ。今週前半の激 しい値動きの後で株価はここにきて一段落した。

エネルギー企業の株価は上昇。この日のニューヨーク原油市場でウ ェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続伸。2日 間での上げは2009年以来で最大となった。シェブロンやトランスオーシ ャンはいずれも上昇した。インテルやフェイスブックも上昇。テクノロ ジー株が上昇した。

一方、ウォルマート・ストアーズは下落。ファイザーとジョンソ ン・エンド・ジョンソン(J&J)はいずれも値下がり。フリーポー ト・マクモランは上昇。資産家カール・アイカーン氏が同社の株式を保 有したことが好感された。

S&P500種は0.1%上昇して1988.87 。 ダウ工業株30種平均 は11.76ドル(0.1%未満)下げて16643.01ドル。ナスダック総合指数 は0.3%上昇した。

ウィルミントン・トラストの投資アドバイザリー部門の資産配分デ ィレクター、キャム・オルブライト氏は「市場は単に疲れているのかも しれない」と述べ、「これまでのような衝撃的な値動きのない一日だ。 これまで上下に大きく値幅が振れていたが、トレーダーはここで一服す る機会を得た」と続けた。

シカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は0.2%下げて26.05だった。VIXは4日間で36%下げた。 その前6日間でVIXは2011年10月以来の高水準に上昇した。

ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツの国際債券責 任者を務めるアンドルー・ブレナー氏は、「株価の荒い値動きは完全に 終わったわけではない」と述べた。

7月の個人消費は前月比で増加。個人所得も伸びた。一方で8月の 米消費者マインド指数は低下し、3カ月ぶり低水準となった。

セントルイス連銀のブラード総裁はカンザスシティー連銀主催の 年次シンポジウムが開催されているワイオミング州ジャクソンホールで ブルームバーグのテレビインタビューに応じ、「連邦公開市場委員会( FOMC)にとって非常に重要なのは、ここ10日に見られたボラティリ ティを理由にどの程度見通しを変えるべきかということだが、私は大き く変える必要はないと思う」と述べた。クリーブランド連銀のメスター 総裁は米経済は利上げに耐えること可能だとの見解を示した。

S&P500種産業別10指数のうち5指数が上昇した。特にエネルギ ー株が大きく上げた。素材株は3日続伸。アルコアは6.2%上昇。ニュ ーモント・マイニングは2.8%値上がりした。

原題:U.S. Stocks Fluctuate in Narrow Range After Week of Volatility(抜粋)

◎米国債:週間で6月来の大幅安-指標が経済の力強さ示唆

今週の米国債相場は6月以来の大幅安。ボラティリティ(変動性) はここ半年で最大を記録した。

米国債は週初に大きく上昇。10年債利回りは一時2%を下回る場面 があった。株価の急落を受け、安全な米国債を求める動きが強まった。

その後は株価の回復や米経済が予想外の力強さを示したことで、当 局が9月に利上げを開始するとの観測が復活し、米国債は下落した。米 連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は米経済専門局 CNBCのインタビューで、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で 利上げに動くかどうか当局は判断していないと語った。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「も し金融当局が本当に望むのなら、利上げも可能だろう。だが今のところ は彼らの動きを抑える外部要因が存在する」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時8分現在の10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.18%。同年 債(表面利率2%、2025年8月償還)価格は1/8未満上げて98 3/8。

利回りは週初から14bp上昇と、6月26日終了週以来の大幅な上げ となった。

10年債の2年債に対する上乗せ利回りは146bpと、21日の142bp から拡大した。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、9月のFOMC会合で利上げ が決定される確率は38%と、26日の24%から上昇している。

米国債のボラティリティ(変動性)を測るバンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチのMOVE指数は24日に94.5と、2月以来の高 水準に上昇した。過去1年間の平均は78.6。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメイレン氏は「全ての市場で大きな変動が見られる」とし、「多く の投資家がつまづいている。市場のテーマは極めて急速に変化した」と 分析した。

原題:Treasuries Post Weekly Loss as Data Signal Economic Strength(抜粋)

◎NY金:反発、コチャラコタ総裁が追加緩和の可能性を示唆

28日のニューヨーク金先物相場は反発。1週間ぶりの上昇となっ た。米ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁が一段の金融緩和策の可能 性を示唆したことから、インフレヘッジとしての金の妙味が高まった。 同総裁は資産購入策に言及し、一段と金利を引き下げる方策はあると述 べた。

マレックス・スペクトロン・グループのトレーダー、グレアム・レ イトン氏は電話インタビューで、「コチャラコタ総裁の発言が100%影 響している」と指摘。「金利低下は弱いドルと強い金を意味する。金利 低下は金にとって常にプラスだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比1%高の1オンス=1134ドルで終了。上昇は21日以来初め て。

銀先物12月は0.8%高の14.549ドル。プラチナ先物10月限は1.6%上 昇の1021.70ドル。パラジウム先物12月限は3.9%上げて590.15ドル。

原題:Gold Climbs as Fed Official Signaled Possiblity of More Stimulus(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、2日間の上げは2009年以来で最大の17%

8日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は大幅続伸。2日間での上げは約17%と、2009 年以来で最大となった。米経済が力強さを増している兆候が広がるな か、40ドル台での堅調な推移が続いた。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の石油市場調査責任者、マ イク・ウィットナー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「リス ク志向が戻ってきた」と指摘。「市場は中国不安を拭い去ろうとしてい る。一番最後の5-10ドル下落は中国経済への不安が原因だった。それ も十分に安定したので、市場は気持ちを切り替えた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比2.66ドル(6.25%)高い1バレル=45.22ドルで終了。終値ベースで 今月4日以来の高値。週間では12%上昇し、2011年2月以来で最大の値 上がり。

原題:Oil Caps Biggest Two-Day Gain Since 2009 as Volatility Climbs(抜粋)

◎欧州株:上昇、乱高下の末-週間ベースでは3週ぶりプラス

28日の欧州株式相場は上昇。過去数日は激しい値動きとなったが、 指標のストックス欧州600指数は中国が人民元を切り下げた週以来で初 めて週間ベースでプラスとなった。

この日のストックス600指数は前日比0.3%高の363.28で取引を終 了。寄り付き直後に0.3%上げたが買いが続かず、1%安まで下落した 後に値を戻した。

同指数は過去7営業日にわたり、1日の値幅が1.7%以上だった。 元切り下げをきっかけに市場が混乱したことが背景にある。こうした乱 高下を経て、前週末比では0.6%高となった。

LLBアセット・マネジメント(リヒテンシュタイン)で約100億 ドル相当の資産運用に携わるクリスチャン・ゾッグ氏は、「市場は方向 性を探している。いつものことだ。大きく下げた後、状況を確認しよう としている」と語った。

同氏はまた、米利上げ時期を予測する手掛かりを得ようと、米ワイ オミング州ジャクソンホールで開催されたカンザスシティー連銀主催の 年次シンポジウムも注目されていると述べた。

この日の西欧市場では、スイスのSMI指数が0.3%下落。中国経 済をめぐる懸念から特に輸出銘柄が影響を受けており、月間ベースで は2009年以来の大幅安となっている。

欧州の個別銘柄では、紙パルプ製品メーカーのスベンスカ・セルロ ーサが4.4%上昇。

一方、人材派遣を手掛けるスイスのアデコと、オランダのランスタ ッド・ホールディングが大幅安となった。決済処理サービスを手掛ける フランスのインジェニコ・グループは7.9%下げた。事情に詳しい関係 者によれば、同社は英ワールドペイに買収案を提示した。

原題:European Stocks End Roller Coaster Week With First Gain in Three(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、下げ止まる-デフレ兆候でQE拡大との観測

28日の欧州債市場では、ドイツ国債がほぼ変わらず。前日まで下げ 基調にあった。スペインでインフレ率がアナリスト予想以上に落ち込ん だことを受け、欧州中央銀行(ECB)が域内のデフレリスクを食い止 めるため国債購入プログラムを拡大するとの観測が高まった。

スペインの8月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比0.5%低 下した。ブルームバーグがまとめた調査では0.3%低下が見込まれてい た。同日発表されたドイツの8月CPIは前年同月比0.1%上昇と、調 査中央値に一致した。

トロント・ドミニオン・バンクのグローバル・ストラテジー責任 者、リチャード・ケリー氏(ロンドン在勤)は「QEに関して、ECB は何がなんでもやり通すだろう」とし、「原油価格やインフレ統計など を考慮すると、ECBが1月までにQEプログラムを延長または拡大す る確率が約3割ある」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ変わ らずの0.74%。前週末比では18ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇した。

インフレ期待の指標としてECBが重視する5年先スタートのイン フレスワップ5年物フォワードレートは24日に終値ベースで1.61%だっ た。これは2月以来の低水準で、過去5年の平均である2.14%も下回っ ている。

原題:German Bonds Halt Decline as Disinflation Seen Extending ECB QE(抜粋)

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