ダイヤモンドを10週間で作る方法-天然と同じ輝き、価格は安く

  • マイクロ波で加熱、鉱山で採掘しないためアフリカでの紛争とは無縁
  • 米小売り・宝飾品業者も注目、供給は2026年にかけ急増する見通し

カルビン・ミルズ氏が婚約者に贈るため昨年11月に購入した2.62カラットのダイヤモンドは驚くほど素晴らしい。洋ナシ型で明るい黄色のこのダイヤの値段は2万2000ドル(約270万円)と格安だった。地中から採掘された同サイズのダイヤなら数万ドル高かっただろうが、このダイヤは実験室で作られたと、米CMCテクノロジー・コンサルティングの最高経営責任者(CEO)を務めるミルズ氏は語る。「割安な価格で大きなダイヤを手に入れた」と振り返る。

人工ダイヤは、800億ドル規模に上る世界のダイヤ市場のごく一部を占めるにすぎないが、買い手がより低価格で倫理的問題のないダイヤを求める中、需要は拡大している。人権保護団体はアフリカではダイヤ採掘が紛争激化の一因になっていると主張し、注意を喚起している。

キュービックジルコニアなどの模造ダイヤと異なり、実験室で作られるダイヤは本物のダイヤと同じ物理的特性と化学的構造を持っている。炭素をメタンなどの炭素を含むガスと共にマイクロ波に当てて加熱する。こうしてできた粒子が結晶化しダイヤとなる。このプロセスには10週間かかる。この技術は、専門家が本物のダイヤと識別するために機械を必要とするほど進んでいるという。

小売り最大手の米ウォルマート・ストアーズや米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が保有するヘルズバーグ・ダイヤモンズはこうした人工ダイヤの在庫を確保し始めている。イスラエルの業界コンサルタント会社テイシーのプリンシパル、チェーム・イーブンゾウハー氏は「現代の若い消費者が地上でできたダイヤか地中から採掘したダイヤかを気にするだろうか」と語る。アントワープのコンサルタント会社ジェムダックスの調査によると、北米の18-35歳の消費者のうち天然ダイヤの方を好む人は45%にとどまった。同社のパートナー、アニッシュ・アガルワル氏は「天然ダイヤの代替はどうしても必要だ」と指摘する。同社は消費者動向をより詳細に把握するにはさらに調査を実施する必要があると説明している。

調査会社フロスト・アンド・サリバンの推計によると、昨年生産された人工ダイヤは約36万カラットと、2013年の天然ダイヤ生産量1億4600万カラットと比較すると少ない。実験室などで作られるダイヤの供給は18年に200万カラット、26年には2000万カラットに増加する見通しだ。

原題:Want to Make a Diamond in Just 10 Weeks? Use a Microwave(抜粋)