【日本株週間展望】乱高下しながら下値切り上げる-中国政策期待支え

9月1週(8月31日-9月4日)の日本株相 場は乱高下しながら徐々に下値を切り上げる展開となりそうだ。中国が 追加の財政政策を打ち出すとの期待は根強いうえ、米国経済も堅調な統 計が見込まれる。日本株の割安感は目立つとの声も聞かれる。ただ、米 国統計が軟調な場合は世界景気に対する懸念が再燃する可能性がある。

8月第4週の日経平均株価は週間で1.5%安の1万9136円32銭と3 週続落。中国に端を発した世界経済への不安から24日に2013年6月13日 以来の下落率を記録、その後26日にはことし最大の上昇率と記録的な乱 高下となった。米当局者の発言により米国は9月に利上げを行わないと の見方が広がったことや、4-6月期の米実質国内総生産(GDP)が 上方修正されたことが後半の戻りを促した。

中国人民銀行が25日に政策金利と預金準備率を引き下げた中国につ いては、大規模な公共投資などさらなる政策が発表されるとの期待が根 強い。米国から良好な経済指標が発表される期待もある。ブルームバー グによると、TOPIXの予想PERは15倍。世界経済に対する過度な 懸念が後退する中、割安感から特に年金資金や個人投資家の買いが入る との見方が強い。

第1週の投資材料は、中国では1日に8月の製造業、非製造業購買 担当者指数(PMI)が発表される。米国では、1日に7月の建設支出 と8月のISM製造業景況指数、2日に7月の製造業受注指数、米地区 連銀経済報告(ベージュブック)、4日に8月の雇用統計の発表が予定 されている。国内では、31日に7月の鉱工業生産、3日に8月の日経日 本PMIサービス業が発表される。

<市場関係者の見方>

●三菱UFJ投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト

世界景気減速懸念が薄れてきた。心配されていた米国ではGDPが 予想以上に回復している。米国が落ち込まないのであれば、世界景気も 大丈夫となり戻りが続くかもしれない。ただこれだけ下げたため、評価 損を抱えた投資家もかなりいる。日経平均は1万9500円付近が半値戻し となるため、その水準からは上値が重くなり、乱高下しやすい。中国政 府は政権維持のため景気をサポートするとみられ、金融政策に加え財政 政策、公共投資があるだろう。

●野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリスト

日経平均2万円を目指す過程で下値を切り上げる展開。上海株も戻 ってきており、海外市場次第では一気に戻る可能性も十分ある。ただフ ァンダメンタルズとは関係なくヘッジファンドの売りなど需給要因で急 落したため、乱高下は続くだろう。配当利回りが3%台になっている主 力株が多く、個人は冷静に買い進めるだろう。

●JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ ストラテジスト、重見吉徳氏

グローバルな景気後退になるのか見極めが必要な時期。日本株が今 までの下げを取り戻すには、中国などで大規模な財政政策が出てこない と難しい。中国である程度の政策が出たり、米国が利上げを遅らせる可 能性は十分あるが、それだけでは足りない。米国の年内利上げは無いく らいの方向性が出てくるか、中国で例えば鉄道建設よりもっと大規模な 財政政策が必要だ。