米株乱高下の背後にクオンツ系の動き-JPモルガンのコラノビッチ氏

  • トレンド追従型などの売買でボラティリティが拡大と指摘
  • 向こう数週間で最大3000億ドル相当の売りを引き起こす可能性も

米株式市場での激しい値動きは、バリュエーション(株価評価)に関心のないトレーダーによる売買によって引き起こされている。JPモルガン・チェースのアナリストがこう分析した。

  同社のデリバティブ(金融派生商品)ストラテジスト、マーコ・コラノビッチ氏によれば、株式相場の直近のトレンドを手掛かりに戦略を取る「価格に無関心な」市場関係者による売りが、今週の相場変動を大きくした。具体的には、株価が大幅には動かないとの見通しに基づく「ショートガンマ」と呼ばれるポジションを取っていたトレーダーの損切りを挙げた。

  米S&P500種株価指数は約1週間前、それまで約7カ月間とどまっていた取引レンジから逸脱した。こうした急激な動きは、コンピューター化された取引を行うトレーダーによる売買を活発化させ、 経済や企業業績では正当化されないようなボラティリティ(変動性)を引き起こすと、コラノビッチ氏はリポートで指摘した。

  コラノビッチ氏は定量分析に基づく具体的な戦略として、トレンド追従型とリスク均等型、ボラティリティの上下に合わせてポジションを調整するタイプの3つを挙げ、こうした戦略を取る投資家は数千億ドルの資産を運用し、相場を動かす影響力があると指摘。向こう数週間で最大3000億ドル(約36兆3000億円)相当の売りを米市場で引き起こす可能性があると分析した。

  同氏はこうしたクオンツ系の売買がファンダメンタルズに基づく買い手を圧倒することが明らかなリスクだと説明。「現在のように流動性が低い状況では、24日の米市場の取引開始時に見られたような相場急落を招く恐れがある」と述べた。

原題:JPMorgan Analyst Sees Quantitative Traders Lashing U.S. Equities(抜粋)

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