今年の原油下落、来年の上昇につながる可能性-OPECに有利か

  • 原油下落で米シェールオイル生産会社は窮地に、淘汰進む可能性
  • 需要が回復する中、非加盟国減産でOPECが市場シェア拡大も

原油価格が1バレル=50ドルを割り込む中、石油輸出国機構(OPEC)による競合する産油国からの市場シェア獲得を目指す取り組みは代償を伴う失敗だったように見える。しかし、来年には全く異なる状況が待っているかもしれない。

国際エネルギー機関(IEA)によれば、OPEC非加盟国の供給は来年、日量20万バレル減り、2008年以来の減少となる見通しだ。一方、需要は同140万バレル増加すると見込まれている。このため、競合する産油国が原油価格下落で打撃を受けていることから、OPECと事実上OPECを率いるサウジアラビアにとって市場シェアを拡大する好機となる可能性がある。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエグゼクティブバイスプレジデントとして150億ドル(約1兆8000億円)相当の運用を手掛けるグレッグ・シェアナウ氏は「OPECの方針が失敗だったと断言するのはかなり行き過ぎだ」と指摘。「サウジとOPECの計画とモデルを半年あるいは1年のものと見なすことはできないと思う。長期的に見れば、OPEC非加盟国の供給が減少する一方、需要は増加しOPECの市場シェアは拡大するだろう」と述べた。

多くの米シェールオイル生産会社はシェールブームの原動力となった債務を抱えている。ブルームバーグ・インテリジェンス北米独立系探査生産・基本事業指数を構成する掘削会社の債務は総額2350億ドルに上る。コストを削減し効率性を向上させている企業もあるが、一部は利息の支払いで窮地に陥る可能性がある。原油価格下落が長引けば、シェールオイル生産会社淘汰(とうた)への圧力は強まりそうだ。

原題:For OPEC, This Year’s Painful Oil Slump Will Bring Gains in 2016(抜粋)