8月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル3日続伸、米失業保険統計とGDPで景気見通し改善

27日のニューヨーク外国為替市場ではドルが3日続伸。ドル指数は 1週間ぶり高水準となった。米国内総生産(GDP)と失業保険統計が 米景気に対する楽観を強めたため、ドル買いが続いた。

株価の上昇もドル買いを誘った。第2四半期のGDP改定値は前期 比3.7%増と、前月発表された速報値の2.3%増から上方修正され、ブル ームバーグが実施したエコノミスト調査での全ての予想を上回った。先 週の米週間新規失業保険申請件数は3週間ぶり低水準に減少した。

オッペンハイマーファンズのグローバル・マルチアセット・グルー プのマネーマネジャー、アレッシオ・デロンジス氏は「米国のデータは 経済が堅調に推移していることを裏付けている」と述べ、ドルが対ユー ロで年末までに1ユーロ=1.05ドルに上昇するとの見通しを示した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前日 比0.6%高の1ユーロ=1.1246ドル。対円では0.9%上昇して1ドル =121円03銭。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇 の1205.59。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの上席為替トレーダー、ス ティーブン・ケイシー氏(ニューヨーク在勤)はドルの支援材料として 「さまざまな明るいデータが出た。私はなおドル高基調が続くと予想し ている」と述べた。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、9月の次回連邦公開市場委員 会(FOMC)で利上げが決定される確率は28%として金利先物市場は 織り込んでいる。26日の24%からは上昇したものの、18日の48%を下回 っている。

カンザスシティー連銀総裁

カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、 市場でのボラティリテ ィ(変動性)の高まりが米経済に影響を及ぼすかどうか判断するには時 期尚早だと指摘。FOMCはいずれの会合でも利上げ開始を決定するこ とができるとの認識も示した。

ジョージ総裁は「現時点では経済動向をめぐる私自身の判断を変え るようなものは見当たらない」と発言。27日夜から同連銀主催の年次シ ンポジウムが始まるワイオミング州ジャクソンホールでブルームバーグ とのインタビューに応じた。FOMCについては「私はこれまで、利上 げを検討する余地があると考えていたが、われわれは委員会の出席者の 考えがどのようなものであるか、様子を見ることになるだろう」と話し た。

シリコン・バレー・バンクのシニア外為トレーダー、ジョー・オリ アリー氏は過去2週間の世界的な株安を受けて金融市場で不透明感が強 まったため、ドルの上値は限定的だったと指摘。「通常の状況だとドル はもっと大きく上昇していただろうが、市場参加者は現在かなり慎重に なっている」と述べた。GDPについては「いずれFOMCにとって利 上げの根拠になるだろうが、9月に利上げを実施するにはボラティリテ ィがまだ高過ぎる」と指摘した。

22日終了週の新規失業保険申請件数は前週比6000件減少して27 万1000件だった。

ABNアムロの通貨ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ氏は GDP統計について、「非常に良好な数字で、特にセンチメントが良い 状態が続くなら、明らかにドル買い材料だ」と電子メールで指摘した。

原題:Dollar Gains as U.S. Growth and Jobs Data Boost Economic Outlook(抜粋)

◎米国株:続伸、世界的に株価回復-GDP上方修正も好感

27日の米国株は続伸。ここ2日間の上げは2009年以降で最大。安心 感が広がり世界的に株価は上昇した。朝方発表された4-6月(第2四 半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正され たことも買い材料になった。

S&P500種株価指数はこの日、2.5%高まで買い進まれたが取引後 半で上げ幅を縮め一時は0.5%未満に縮小する場面もあった。

S&P500種は2.4%高の1987.66。前日から2日間の上げ幅は6.4% となった。ダウ工業株30種平均は369.26ドル(2.3%)高の16654.77ド ル。

LPLファイナンシャル(ボストン)のチーフ経済ストラテジス ト、ジョン・カナリー氏は「株価は回復し、今後はGDPや金融当局と いった米国内の動向に注目が集まるだろう」と述べ、「調整局面は楽し いものではないが、それを超えると再び重要な材料に関心が高まる」と 続けた。

この日は素材株やエネルギー株が特に上昇した。資源会社のフリー ポート・マクモランは大幅高。人員削減計画が好感された。コンソル・ エナジーとトランスオーシャンはいずれも値上がりした。

一方、高級宝飾メーカーのティファニーは下落。四半期利益がアナ リスト予想を下回ったことが嫌気された。

米GDP統計

米商務省が27日発表した第2四半期の実質GDP(季節調整済み、 年率)改定値は前期比3.7%増と、前月発表された速報値の2.3%増から 上方修正された。またブルームバーグが実施したエコノミスト調査での 全ての予想を上回った。予想の中央値は3.2%増。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売成約 指数(季節調整後)は前月比で0.5%上昇。ブルームバーグがまとめた エコノミスト予想の中央値は1%上昇だった。

成長懸念を背景とした市場の混乱に伴い、米金融当局が来月にも利 上げするとの見方は後退した。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は26 日、世界的な株式市場混乱を理由に、9月に利上げを決定する論拠が 「やや弱くなってきた」と述べた。

トレーダーの間では来月利上げが決定する確率は30%と、今月中国 が発表した人民元切り下げ前の約50%から低下した。

27日からは米ワイオミング州のジャクソンホールでカンザスシティ ー連銀主催の年次シンポジウムが29日まで開かれる。米連邦準備制度理 事会(FRB)のイエレン議長は出席しない。

原題:U.S. Stocks Advance After Stronger GDP Data Amid Global Rally(抜粋)

◎米国債:中期債が3日続落-4-6月GDPが経済の力強さ示す

27日の米国債市場では中期債が3日続落。4-6月(第2四半期) の国内総生産(GDP)改定値が市場予想を上回ったことを受けた。ま た株式相場が世界的に上昇したことも材料視された。

利回りは約1週間ぶりの水準に上昇。世界的な市場の混乱はあった ものの、早ければ9月の利上げを当局が確信できるほど米経済は力強く なっているとの見方が強まった。年限が2年から10年までの米国債で相 場は下落した。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイモ ンズ氏は「データは経済が正しい軌道にあることを示唆している」と し、「商品相場が安定すれば、全て望ましい状態になるだろう」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の0.69%。同年債(表面利率0.625%、2017年8月償 還)価格は1/32下げて99 7/8。

一方で30年債は反発。4日ぶりの上昇となった。利上げ観測が広が り、インフレ期待が後退したことが背景にある。

この日は世界的に株式相場が上昇した。中国当局は株式相場下支え のための介入を再開。一方で、人民元の急落を防ぐドル売り介入のため にこのところ保有米国債を売っていると、事情に詳しい関係者が明らか にした。

利上げ確率

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、年末までに利上げが決定され る確率は53%として金利先物市場は織り込んでおり、25日時点での46% から上昇した。

米財務省がこの日実施した7年債入札(発行額290億ドル)では、 最高落札利回りが1.930%と、入札直前の市場予想(1.934%)を下回っ た。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.53倍と、過去1年の平均で ある2.46倍を上回った。この入札後、既発7年債は下げを縮めた。

米商務省が発表した第2四半期の実質GDP(季節調整済み、年 率)改定値は前期比3.7%増と、前月発表された速報値の2.3%増から上 方修正された。またブルームバーグが実施したエコノミスト調査での全 ての予想を上回った。

マニュライフ・アセット・マネジメントの債券トレーダー、マイケ ル・ロリジオ氏(ボストン在勤)は「国内を見ると、経済の基盤は非常 にしっかりしている」と指摘。株式に見られるリスクオンの心理と合わ せて考えれば、米国債の売りは理にかなう動きだと続けた。

原題:Treasuries Notes Fall for Third Day on Signs of Stronger Growth(抜粋)

◎NY金:4日続落、米GDP改定値の上方修正で逃避需要が減退

27日のニューヨーク金先物相場は4日続落。米実質国内総生産 (GDP)改定値が速報値から上方修正されたことを背景に、逃避先と しての金の妙味が低下した。

TDセキュリティーズ(トロント)の商品戦略責任者、バート・メ レク氏は電話インタビューで、「ポジティブな米指標を受けて、来年3 月までの利上げ先送りにはならないだろうとの見方が広がっている」と 指摘。「株価の大幅上昇に伴い、安全逃避の金買いは後退している」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.2%安の1オンス=1122.60ドルで終了。4日続落は7 月22日以来の最長。

銀先物12月は2.6%高の14.437ドル。プラチナ先物10月限は2.6%上 昇の1006ドル。パラジウム先物12月限は7.4%上げて567.90ドル。

原題:Gold Futures Decline for Fourth Session as U.S. Economy Expands(抜粋)

◎NY原油:10%超の急反発、米GDPが予想上回る伸び

27日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は急反発した。米国内総生産(GDP)改定値 が速報値から上方修正され、予想を上回ったことを好感し、約6年ぶり の大幅高となった。ロイヤル・ダッチ・シェルがナイジェリアからのボ ニーライト原油輸出に対して不可抗力(フォースマジュール)を宣言し たことを受け、原油の買いはさらに膨らんだ。

トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド) で177億ドルの運用に携わるマット・サリー氏は電話取材に対し、「わ れわれはムチで打たれて反応しているようなものだ」と話す。「ショー トにしている投資家は神経質になっており、ポジティブなデータには何 でも反応し即座に買い戻しを入れる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比3.96ドル(10.26%)高い1バレル=42.56ドルで終了。年初から は20%の値下がり。

原題:Oil Jumps Most in Three Years on Faster U.S. Economic Growth(抜粋)

◎欧州株:上昇、週間ベースの下げ解消-業種別指数は全てプラス

27日の 欧州株式相場は上昇。信頼感が戻ったのを手掛かりに、指 標のストックス欧州600指数は週間ベースの下げを解消し、プラス圏と なった。

ストックス600指数は前日比3.5%高の362.27で取引を終了。前週末 比では0.3%高となった。4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産 (GDP)改定値が速報値から上方修正されたことが買い材料。商品相 場の上昇を反映し、業種別指数は全て上昇。英国とドイツ、フランスの 主要株価指数はいずれも3%を超える伸びとなった。

スイスカント・アセット・マネジメント(チューリヒ)のポートフ ォリオマネジャー、ペーター・ブレンドル氏は「米国が先導役となって いる」と発言。最近の「欧州株式市場では最近の下落で値ごろ感が台頭 した。経済状況は改善しており、これが企業を支え、業績も良くなって きた」と続けた。

個別銘柄では、フランスのブイグが5%上昇。電話事業の通期利益 目標を上方修正した。独医療サービスのフレゼニウスは6.2%値上が り。通期配当を少なくとも20%引き上げる見通しを明らかにした。

原題:European Stocks Erase Weekly Declines, Joining Global Advance(抜粋)

◎欧州債:独10年債利回り上昇、インフレ期待低下で低水準続くと予想

27日の欧州債市場ではドイツ10年債利回りが上昇したものの、依然 1%を下回っている。1年前に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は 米ワイオミング州ジャクソンホールでのシンポジウムで、量的緩和 (QE)実施を示唆。当時はこれがインフレ押し上げを目指すECBの 闘いに転機をもたらすはずだった。

ドラギ総裁が当時計算に入れていなかったのは商品価格の急落だ。 これが長期的なインフレ期待を低下させ、1年前よりもさらに低い水準 に抑え込んでいる。

インフレ期待の指標としてドラギ総裁が重視する5年先スタートの インフレスワップ5年物フォワードレートは、昨年8月当時よりも低下 している。同総裁発言が道を開いたECBの国債購入プログラムは、今 年3月に1兆1000億ユーロ規模で開始。これが政府債の支援材料とな り、アナリストはQE開始から1年後の時点でもドイツ10年債利回りは 1%を下回っていると予想する。

ラボバンク・インターナショナルのシニア市場エコノミスト、エル ウィン・デフロート氏(ユトレヒト在勤)は「最近の相場動向から判断 して、インフレ期待がさらに低下し、利回りを一段と押し下げる圧力が かかるだろう」と発言。「当時インフレ期待が懸念されるようになった 最大の理由は、現在インフレ期待が低下している理由と実際同じもの だ。つまり商品価格の急激な低下だ。現在の状況は当時とさほど変わら ない」と続けた。

ロンドン時間午後4時10分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.74%。同国債(表面 利率1%、2025年8月償還)価格は0.325下げ102.51。

利回りは6月10日に年初来の最高となる1.06%に達した。その後の 中国経済減速と商品安がデフレリスクを再燃させ、ECBに追加刺激を 迫るとの観測が広がり、利回りは下げた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査の中央値によれば、独10 年債利回りは年末が0.9%で、来年3月末までに1.01%に上昇するとみ られている。

今年のジャクソンホールでは、コンスタンシオECB副総裁が29日 に講演する。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は参加しな い。

原題:Slowflation Makes a Mockery of Draghi’s Jackson Hole Anniversary(抜粋)

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