ドル・円は121円前半、リスクセンチメント改善で底堅い-株価続伸

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東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル =121円台前半で堅調に推移した。世界的な株価上昇を背景にリスクセ ンチメントの改善が相場を支えた。

28日午後4時26分現在のドル・円相場は121円ちょうど前後。上海 株などアジア株が続伸する中、121円台前半を中心に底堅く推移した。 一方、上値は121円31銭までとなり、前日の海外市場で付けた24日の急 落後の戻り高値(121円40銭)には届かなかった。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、市場は何となく落ち着いた感じ だが、「これだけでは終わりそうにない気がしないでもない」と指摘。 米国の利上げ見通しにも不透明感が広がっており、ドル・円は「まだト レンドに戻るところまではいっていない」と語った。

ユーロ・円相場は1ユーロ=136円台前半を中心にしたユーロ買い ・円売り優勢の展開。ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で20日以来の 水準となる1ユーロ=1.1203ドルまでユーロ売り・ドル買いが進んだが 、この日は1.12ドル台前半から後半へ強含んだ。

株続伸

28日の東京株式相場は3日続伸。前日発表された4-6月期の米国 内総生産(GDP)改定値が予想以上に上方修正されたことで、米景気 に対する楽観的な見方が広がり、日経平均株価は一時600円を超える上 げとなった。アジア株も全面高で、上海株は5%近い上昇となった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラ テジストは、「米国株が上昇し、日本株もしっかりという今の水準を維 持できるのであれば、日米の金融政策の違いを意識する方向に向かうの ではないか。ドル・円の上昇基調は続いているとみている」と話した。

一方、楽天証の相馬氏は、株価の反発について「ここ2週間ぐらい の大暴落を完全に回復したわけではないので、ちょっと下げ止まったぐ らいの意識でいた方がいい」と指摘。来週は米雇用統計の発表があり、 「強ければ利上げ観測で株は買えないという話になるし、弱ければ期待 していた米国もダメかということになり、どうしてもリアクションがネ ガティブになりやすいムードだと思う」と語った。

米利上げ

この日は米国で7月の個人消費支出や8月のミシガン大学消費者マ インド指数確定値)で発表される。また、週末にはフィッシャー米連邦 準備制度理事会(FRB)副議長がワイオミング州ジャクソンホールで 開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、米国のイン フレ動向について議論する。

みずほ銀行の為替トレーダー、日野景介氏(ニューヨーク在勤)は 、「最近の混沌としたマーケットについてコメントしないわけにはいか ないと思う」と言い、「ハト派色を強めてしまうのか、ないしはお構い なしで行くといった姿勢を示すのかといった点が大事」と指摘した。

一方、朝方発表された日本の7月の全国消費者物価指数(生鮮食品 を除くコアCPI)は前年同月比横ばいと、市場予想(同0.2%低下) を上回ったが、市場の反応は限られた。

ブラウン・ブラザーズの村田氏は、雇用や物価指標は「追加緩和期 待を後退させる方向」だが、「消費は弱く、7-9月期もマイナス成長 となれば、追加緩和がある方向」になると指摘。「7-9月期のGDP と追加緩和期待を見極める上で、来週の鉱工業生産が重要」と話した。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美.