三菱商、シンガポール農産物商社に1300億円出資、持ち分法会社に

更新日時
  • コーヒーなど食品原料の調達力を強化、アフリカ事業でも協業
  • 政府系投資会社テマセクに続き第2位株主に、取締役2人派遣も

三菱商事は28日、シンガポールの農産物商社オラム・インターナショナルと資本業務提携を結ぶと発表した。オラムの株式20%を約1320億円で取得し、持ち分法適用会社とする。オラムが強みを持ち、新興国経済の発展に伴い需要拡大が見込まれるコーヒーやココア、ナッツ類といった食品原料の調達力を強化するとともに食品製造加工やアフリカ事業でも協業する。

オラムのシンガポール当局への届け出によれば、三菱商は第三者割当方式で新株3億3270万株を9億1500万シンガポール・ドル(約790億円)で引き受ける。またオラムの広報担当によると三菱商はオラムを創設したケワルラム・チャンライ・グループの持ち分のうち2億2200万株を約6億1100万シンガポール・ドルで取得する。9月末までに株式取得を終える。

三菱商は51%株式を保有するシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスに続き第2位の株主となる。取締役2人も派遣する。

オラムはコーヒーやココアの取り扱いで世界第3位の他、世界65カ国で40種類以上の商品を扱う農産物商社。サニー・バーギース最高経営責任者はブルームバーグ・テレビのインタビューで「三菱商事とは20年来の取引関係にあり、今回の資本業務提携によって日本のほか英国や東南アジアなどでの販売を増やすことができる」と販路拡大に期待を示した。日本では合弁会社を設立し、オラムが日本向けに供給してきたコーヒー豆などの取り扱いを集約して販売する。

50億-100億円のリターン

三菱商の生活原料本部長を務める京谷裕・執行役員は同日の電話会議で「5年後をめどに50億-100億円規模のリターンが出てくる」と述べた。10年後にはオラムの利益が倍増することを期待しているという。また「中長期的には消費市場としてのアフリカの可能性を探っていきたい」と述べ、利益拡大余地は大きいとの認識を示した。

三菱商の取得価格である1株当たり2.75シンガポール・ドルはオラムの昨年の平均株価を29%上回る水準。オラムはこの価格が「競争入札プロセス」で決まったと説明した。他の買い手候補の具体名は公表されていない。

三菱商は非資源分野の純利益を2012年度の1800億円から20年をめどに倍増する目標を掲げている。昨年はサケ養殖事業を手掛けるノルウェーのセルマックを約1500億円で買収した。

資源価格が低迷する中、非資源の穀物関連業界では大型投資が相次いでおり、丸紅は13年に米穀物会社ガビロンを買収。中国最大の食品会社、中糧集団は昨年、シンガポールの商品取引会社ノーブル・グループの穀物部門とオランダの商社ニデラの過半数株式を取得した。

(更新前の記事は会社側の申し入れで取得額を訂正済みです。)

原題:Mitsubishi to Buy 20% in Grain Trader Olam for $1.09 Billion (2)(抜粋)