世界最大の銀行が最高に割安でも魅力薄-財務に疑問とBNP

資産規模で世界最大の銀行、中国工商銀行( ICBC)の株価がこれほど割安になったことはかつてなく、絶好の買 い時というアナリストもいるが、ファンドマネジャーのアーサー・クオ ン氏を納得させるには力不足だ。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズのアジア太平洋株 式担当責任者を務めるクオン氏(香港在勤)は、株価が純資産価値を割 り込んでいる点や中国当局による前例のない株価対策では、中国の銀行 株を買う理由にならないと指摘。景気減速で銀行は不良債権の増加に見 舞われるためだと説明した。

クオン氏は「われわれは銀行を好まない。実に割安な水準で取引さ れているが、それでも選好しない。これらの銀行のバランスシートは基 本的に非常に疑わしい」と述べた。

マークイットのデータによると、ICBC株の空売りは6月29日時 点で発行済み株式数の0.03%だったが、先月には2014年9月以来の高水 準に達し、今月24日時点で0.39%。

中国の大手銀行のバリュエーション(株価評価)は世界的な金融危 機時やその後の欧州債務危機時に見られた水準を下回っている。5大銀 行の予想株価純資産倍率(PBR)は平均0.75倍。時価総額が100億ド ル(約1兆2000億円)超の世界の銀行のPBRは1.27倍。ICBCの PBRは06年10月の上場当時2.6倍だった。

クオン氏ら投資家は15四半期連続での不良債権の増加や、公表デー タが実態を映していないとの疑念を重視している。格付け会社フィッ チ・レーティングスは、金融機関が債権をバランスシートから除外して いるため中国の不良債権データは信頼性を欠くと指摘している。

原題:World’s Biggest Bank at Cheapest Ever Isn’t Enough to Lure BNP(抜粋)

--取材協力:Aipeng Soo、Kana Nishizawa.