中国の追加利下げ、デフレ圧力高める恐れ-実質金利はむしろ上昇か

  • 利下げで過剰生産能力を抱える国有企業により多くの資金が流れる
  • 追加金融緩和でも中国本土株の下げに歯止めをかけることができず

中国は予想外の人民元切り下げを引き金とした世界的な市場の動揺を落ち着かせようとしているが、中国人民銀行(中央銀行)は状況を悪化させているだけかもしれない。

人民銀が25日発表した利下げは、鉄鋼などの業種で既に過剰生産能力を抱える国有企業により多くの資金が流れる構図となっている。コンファレンス・ボードによれば、これがデフレ圧力を高めており、実質金利は下がるどころか上昇する恐れがある。今回の利下げと預金準備率の引き下げでも5兆ドル(約600兆円)相当の時価総額が失われた株安には歯止めがかからず、26日の中国本土株は下落した。

世界の投資家は、中国の景気減速懸念を強めた11日の人民元切り下げで傷付いた投資家の信頼を取り戻すよう、人民銀の周小川総裁に期待している。昨年11月以降の計4回の利下げでも景気に弾みがつく兆しは乏しく、今回の5度目の利下げに対しては懐疑的な見方もある。

HSBCホールディングスのアジア経済担当共同調査責任者、フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は、「中国では利下げだけでは景気を立て直すことができないかもしれない」と指摘。「利下げが、主に過剰設備を抱える国有企業への貸し出しを刺激する限り、結局は中国経済のデフレ圧力を強めかねない」とコメントした。

中国の7月の生産者物価指数(PPI)は2009年以来の低水準に落ち込んでおり、国内の過剰生産能力と中国製造業に対する国内外の需要低迷を示している。モルガン・スタンレーのチェタン・アーヤ氏(香港在勤)率いるアナリストチームは今月のリポートで、中国を除くと、このように持続的なデフレ傾向を示した経済大国は他に1990年代の日本だけだと指摘した。

原題:China’s Ability to Stem Rout Hindered by Interest-Rate Cut Flaw(抜粋)