10月米利上げの可能性、ウォール街のレーダー上に急浮上

米金融当局が10月に利上げを開始する確率は 極めて低いかもしれない。だが、ウォール街は今やそうした可能性を排 除していない。

トレーダーや投資家は過去数カ月にわたり、9月か12月の米連邦公 開市場委員会(FOMC)での利上げ開始決定を予想してきた。しか し、FOMC後にイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会 見が予定されていないことを主な理由に、10月の利上げは見込まれてい なかった。

ところが、このところの金融市場の混乱を背景に、一部のアナリス トにとって情勢は変化しつつあるようだ。利上げ時期として9月は早過 ぎるかもしれない一方、12月は金融市場の流動性が細る傾向にあり、一 部の投資家の目には問題があると映る。このため10月の利上げの可能性 がレーダー上に急浮上してきた。

クレディ・アグリコルCIBの債券戦略責任者、デービッド・キー ブル氏(ニューヨーク在勤)は10月利上げの可能性について、「もっと 真剣に考えてみる必要がある」と話す。引き続き9月の利上げ開始予想 を維持する同氏は、金融当局は「12月より少し前に動かなければ信認を 失い始める恐れがあり、そのように行動したいと切望するだろう」と語 った。

米金融当局は過去数カ月にわたって年内利上げの可能性を示唆し、 市場もそうしたメッセージを受け入れてきた。だが、景気減速見通しを 受けて、過去2週間足らずで世界の株式市場で時価総額5兆ドル (約595兆円)余りが失われたことで事態は一変した。

モントリオール銀行の外為戦略グローバル責任者、グレッグ・アン ダーソン氏も「市場の緊張で9月が早過ぎるというなら、オフサイクル の10月利上げの可能性も台頭してくる」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、トレーダーは9月の米 利上げの確率を28%とみているが、10月末まででは34%、12月の FOMCまででは51%に上昇する。

イエレン議長自身は、FOMC後に記者会見が予定されているかど うかによって、金利に関する決定が左右されることはないとしている。 議長の記者会見は1会合おきの予定となっている。

原題:Once Unthinkable, October Rate Boost Now on Wall Street’s Radar(抜粋)

--取材協力:Lananh Nguyen.