日生:三井生命買収で合意へ、8割取得で最大4000億円-関係者

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日本生命保険が三井生命保険を買収する方向 で検討していることが分かった。9月にも合意する見通し。事情に詳し い複数の関係者が明らかにした。保険料収入で第一生命に追い抜かれた 日生は、買収により首位回復を目指す。

関係者によると、日生は三井生命の発行済み株式の80%以上の取得 を目指しており、買収金額は3000億-4000億円に上る見通しだという。 三井生命の大株主は三井住友銀行をはじめとする三井系企業が名を連ね ている。

日生は3月にまとめた3カ年計画で、企業の合併・買収(M&A) を含めた海外事業や資産運用事業の拡大などに最大5000億円を投入する 方針を表明。同社は長年、保険料等収入で首位の座を維持していた が、2014年4-9月期の連結業績で、銀行窓販が好調の第一生命保険に 取って代わられていた。

15年3月期の保険料等収入は日本生命が5兆3709億円、三井生命 が5452億円で単純合算すると5兆9161億円となり、首位の第一生命保険 の5兆4327億円を上回る。

金融機関に財務コンサルティングを提供するキャピタスコンサルテ ィングの植村信保マネージングディレクターは、日生が三井生命を買収 する狙いについて「顧客基盤や親密先の存在だ」と指摘。日生にとって は、三井住友フィナンシャルグループと関係を強化し、「金融機関を通 じた保険販売を念頭に置いている可能性はある」との見方を示した。

国内足場固め

保険業界では、第一生命保険が昨年、米プロテクティブ生命を買収 したほか、明治安田生命保険住友生命保険も今年に入り米生保の買収 を相次ぎ発表。少子化で伸び悩む国内市場を背景に海外へ進出する動き が目立っているのに対し、日生はひとまず国内生保の買収に動いた。

植村氏は、国内市場縮小に対して「中長期的にどう対処するかは、 日本生命のグループ戦略を見た上で、今回の意味を判断しても遅くはな い」と述べた。

生保の企業価値を示す三井生命のエンベディッド・バリューは7450 億円(3月末)あり、植村氏は「将来的に保有契約だけでも利益が出て おり、買収には一定の価値がある」とみている。

三井生命

三井生命は04年4月の株式会社後、一度は上場を計画していたが、 金融危機による市場混乱で業績が低迷。コスト削減のほか、三井住友銀 行や三井系企業からの追加出資を受け経営再建を進めた。

日本生命広報部の今真一郎氏は、「M&Aについては3カ年計画に 沿って国内外で様々な検討を行っているが、現時点で決定している事実 はない」とコメントした。また三井生命の企画部・広報IRグループの 蒲倉徳人氏は「決定した事実はない」と述べた。