8月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

訂正済み

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが続伸、米耐久財増加で米経済の先行きを楽観

26日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続伸。対ユーロでは5 カ月ぶりの大幅高となった。7月の米耐久財受注額が予想を上回ったた め、経済成長見通しが明るくなった。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇。アジアや欧州の株価が下げた ものの、米国株が上げたことが背景にある。ニューヨーク連銀のダドリ ー総裁が世界的な株式市場混乱を理由に、9月に利上げを決定する論拠 がやや弱くなってきたと述べると、ドルは伸び悩んだが、その後に再び 上昇した。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査 責任者、ジェニファー・ヴェイル氏はドルについて、「強くなると考え ている。しかし、利上げ開始の時期がもっと明確になるまで上値は限定 的だろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前日 比1.8%高の1ユーロ=1.1314ドル。対円では0.9%上昇して1ドル =119円92銭。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%上昇 の1202.94。

7月の米製造業耐久財受注では、航空機を除く非国防資本財(コア 資本財)の受注がここ1年余りで最大の伸びとなった。耐久財受注全体 では2%増。

クレディ・スイス・グループの外為ストラテジスト、マット・ダー 氏(ニューヨーク在勤)は電子メールで、「耐久財は予想外に良く、米 国のデータが底堅いことを引き続き示唆している」と述べた。

利上げ確率

9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定される 確率は24%として金利先物市場は織り込んでいる。18日は48%だった。 これは引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定が基になっている。

中国人民銀行が11日に人民元を事実上切り下げて以来、世界の株式 市場では約8兆ドルの時価総額が吹き飛んだ。通貨のボラティリティを 示す指標は25日に2月以来の高水準を付けた。

欧州中央銀行(ECB)のプラート理事の発言もユーロ売りを誘っ た。同理事はインフレ見通しが悪化しているのであれば、債券購入プロ グラムを拡大または延長する用意があると言明した。

さらに「世界経済と商品市場における最近の展開は、インフレ率が 2%に向けて持続的に上昇するというシナリオに対する下振れリスクを 高めた」と分析した。

原題:Dollar Gains by Most in Five Months Against Euro as Stocks Surge(抜粋)

◎米国株:急反発、2011年以来最大の上昇-米当局者発言と統計が支援

26日の米株式相場は急反発。米金融当局者のハト派的発言と良 好な経済データをきっかけに、2011年以降で最大の上昇となり、時価総 額にして2兆2000億ドル(約264兆円)が失われた急落にいったん歯止 めがかかった格好。

テクノロジー株が上昇を率いた。アップルとグーグル、インテルは いずれも5.5%以上の値上がり。銀行株も前日と同様に堅調で、JPモ ルガン・チェースとシティグループは4.8%を上回る上昇。シュルンベ ルジェに148億ドル(約1兆7700億円)で買収されることになった石 油・ガス関連機器のキャメロン・インターナショナルは41%急騰。

S&P500種株価指数は前日比3.9%上昇の1940.51。終盤に上げ足 を速め、4年ぶりの大幅高となった。ダウ工業株30種平均は619.07ドル (4%)高い16285.51ドル。ナスダック総合指数は4.2%上昇。

スタイフェル・ニコラウス(セントルイス)の運用担当者、チャ ド・モーガンランダー氏は「最近の弱さを考えると、この程度の短期的 な上昇はあまり意外ではない」と話す。「バリュエーションがかなり下 がったという現実が、いずれ表に出てくるだろう」と続けた。

成長不安に起因する世界株安を背景に、9月の米利上げ観測が後退 している。ニューヨーク連銀のダドリー総裁はこの日、世界的な株式市 場の動向を理由に9月に利上げを決定する論拠がやや弱くなってきたと 指摘した。一方で短期的な動向に過剰反応しないことが肝要だと注意を 促した。

先物市場が織り込んでいる9月利上げの確率は25%前後。中国が人 民元切り下げに踏み切る前は、ほぼ半々だった。

ダドリー総裁は市場のボラティリティが米経済に及ぼし得る重要な 経路の一つとして資産効果を挙げ、株式市場で損失が出れば米国民が支 出を抑制する可能性があると語った。商務省が発表した7月の米製造業 耐久財受注統計では、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注 がここ1年余りで最大の伸びとなった。耐久財受注全体では7月は2% 増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%減だ った。

ボストン・プライベート・ウェルスの最高投資責任者(CIO)、 トム・マニング氏は「相場が上がるのを見るのは確かに良いことだ」と 話す。「底入れしたかどうかは分からない。下げ相場が続かないとの確 信はない。極端なボラティリティが一夜にして極端な落ち着きに変わ ることはないだろう」と述べた。

S&P500種の業種別10指数のすべてがこの日は上昇。特に情報通 信と金融、ヘルスケアなどが好調だった。

情報通信の中では半導体が特に買われ、スカイワークス・ソリュー ションズやエヌビディアなどが大きく上昇。金融ではウェルズ・ファー ゴとバンク・オブ・アメリカが4.5%以上の値上がり。スイスのシンジ ェンタ買収を断念した種子開発のモンサントは8.6%高。モンサントは 買収提示額を462億ドル規模に引き上げたが、シンジェンタはこれを拒 否した。

原題:Relief Descends on U.S. Stock Market With Best Rally Since 2011(抜粋)

◎米国債:下落、2日間の下げでは6週間で最大-耐久財受注などで

26日の米国債相場は下落。2日間の下げとしては6週間で最大とな った。7月の米製造業耐久財受注の予想外の増加や株式相場の上昇で米 国債の需要が後退した。

この日実施された5年債入札(発行額350億ドル)では、同年債と しては需要が2009年以来の低水準となり、ここ1週間に高まった逃避先 としての妙味が後退したことが示唆された。これを受け、相場は下げを 拡大した。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、世界的な株式市場混乱を理由 に、9月に利上げを決定する論拠がやや弱くなってきたと述べた。相場 はこの発言を手掛かりに一時的に下げを縮めたものの、市場の混乱が米 経済を減速させるという明確な証拠はなく、買いの動きは消極的だっ た。

FTNファイナンシャルの金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏 は相場の方向性を探る上で、「ここ4、5日に起きたゆがみがまだあま りに多く残っている」と指摘。近く発表される消費者信頼感の統計につ いて、経済がボラティリティの悪影響を受けつつあるか否かを知る最初 の手掛かりになるとの考えを示した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.18%。同年債(表面利率2%、2025年8月償 還)価格は約7/8下げて98 13/32。

前日と合わせた利回りの上げ幅は10年債が17bp、30年債は20bp となり、7月9、10日の2日間以来で最大の上げとなった。

不透明感

米商務省の26日発表によると、7月の製造業耐久財受注は前月比 2%増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想を上回った。

ブルームバーグがまとめた市場調査の中央値では、28日発表のミシ ガン大学消費者マインド指数(確定値)は93と、速報値(92.9)から若 干の上方修正が見込まれている。

世界的な株安の中、トレーダーらは米利上げ予想を後退させてい る。SEIインベストメンツで80億ドル相当の資産運用に携わるショー ン・シムコ氏は「米利上げの可能性と世界的な景気減速に伴う不透明感 との綱引き状態だ」とし、「それがボラティリティを生み出している」 と続けた。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、9月の連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げが決定される確率は24%として金利先物市場は織 り込んでおり、7月末時点での40%から低下している。

ダドリー総裁

ダドリー総裁はこの日の記者会見で、「現時点での私の考えでは、 9月のFOMCで正常化のプロセス開始を決定する論拠は数週間前に比 べやや弱くなっているようだ」と語った。

ただ総裁は利上げの可能性を排除はせず、「米経済情勢に加え、国 際・金融市場の動向に関する情報がもっと手に入るため、FOMC会合 までに正常化への論拠が強まる可能性もある」と付け加えた。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏は「利上げの論拠が弱まったとのダドリー総裁の発言をきっ かけに、買いの動きが広がった」とし、「極めて変動の大きい状態にな っている」と続けた。

5年債入札では、最高落札利回りは1.463%。投資家の需要を測る 指標の応札倍率は2.34倍と、09年7月以来の低水準だった。

原題:Treasuries Slump by Most in Six Weeks as Durable Goods Surprise(抜粋)

◎NY金:3日続落、米利上げ見通しが焦点-今週の世界株安でも

26日のニューヨーク金先物相場は3日続落。今月に入って最長の連 続安となった。今週に入り成長懸念で世界の株式相場が4年ぶりの大幅 安となったにもかかわらず、逃避資産としての金を買う動きは控えられ た。市場の注目はむしろ米利上げ見通しに集まった。

RBCキャピタル・マーケッツの世界先物担当バイスプレジデン ト、ジョージ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、 「金のトレーダーらは別世界にいるようだ」と指摘。「彼らは利上げが 9月になければ、今や10月に実施されると心配している。世の中は株 式市場のボラティリティを心配しているのに」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比1.2%安の1オンス=1124.60ドルで終了。

銀先物は3.9%下げて14.078ドル。パラジウムは一時3.7%下落。プ ラチナは上昇した。

原題:Gold Gets Ignored Amid Market Turmoil as Focus Stays on Fed(抜粋)

◎NY原油:反落、燃料在庫の増加と中国懸念で需要不安

26日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は反落。世界的な供給超過に改善の兆候が見え ない中で米国の燃料在庫が増加したほか、中国株の下げが止まらないこ とから需要が伸び悩むとの不安があおられた。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエ ネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は電話取材で米エネルギー情 報局(EIA)の週間在庫統計について、「原油在庫が減少したが石油 製品に姿を変えただけだと、市場は統計を無視した」と指摘。「石油全 体の在庫は増加した」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比71セント(1.81%)安い1バレル=38.60ドルで終了。年初から は28%の値下がり。

原題:Oil Falls as U.S. Fuel Supply, China Turmoil Add to Glut Concern(抜粋)

◎欧州株:下落、前日の反発で流れ変わらず-シンジェンタが急落

26日の欧州株式相場は反落。指標のストックス欧州600指数は前日 に2011年以来の大幅高となったものの、下げ基調を覆すには十分ではな かった。

今週の相場は乱高下となっている。24日には金融危機以来の大幅安とな った後、25日には中国の利下げを好感して反発した。この日はスイスの シンジェンタが18%安と、構成銘柄の中で最もきつい値下がりとなっ た。米モンサントがシンジェンタ買収断念を発表したことが売り材料。

ストックス600指数は前日比1.8%安の350.14で取引を終了。いったん は2.7%安まで下げた後、7月の米製造業耐久財受注が予想を上回った ことを手掛かりに上昇し、0.2%高となる場面もあった。

オフィ・ジェスチョン・プリべ(パリ)の運用担当者ジャック・ポルタ 氏は「視界が良くなるまで、ボラティリティは高まるだろう」とし、 「中国の元切り下げが不安を呼び、経済データも芳しくない。原油と商 品の急激な値下がりは気がかりだ」と語った。

この日の西欧市場では、スイスのSMI指数が最も大きく下げた。上場 来で最大の下げとなったシンジェンタが重しとなった。掘削請負会社ト ランスオーシャンは8%安。

欧州の個別銘柄では、合併で合意したブックメーカーのパディ・パワー とベットフェア・グループが急伸した。

原題:Europe Stocks Fall as Rebound Proves Temporary; Syngenta Slumps(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が3日ぶり上昇-売られ過ぎとの見方

26日の欧州債市場ではドイツ国債が3日ぶりに上昇。株式市場の値動き が大きくなり逃避の需要が高まるとの見通しを考えると、前日の国債売 りは行き過ぎだったとの見方が広がった。

指標のドイツ10年債利回りは低下。前日は3週間ぶり高水準に達してい た。ユーロ圏で安全とされる債券の需要が高まり、フランスとオースト リアの国債も値上がり。イタリア10年債のドイツ10年債に対する利回り 上乗せ幅(スプレッド)は拡大した。欧州株の指標であるストックス欧 州600指数は下げた。

クレディ・アグリコルの債券アナリスト、オーランド・グリーン氏(ロ ンドン在勤)は「極めて変動性の高い週となっており、これが数日続く こともあり得る」とし、「前日の売り浴びせは若干行き過ぎだった」と 述べた。

ロンドン時間午後4時13分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.70%。前日は14bp上昇 し、5日以来の高水準となる0.76%に達する場面もあった。同国債(表 面利率1%、2025年8月償還)価格はこの日、0.32上げ102.91。

同年限のフランス国債利回りは5bp下げて1.08%。オーストリア国債 利回りは4bp低下し1.02%と、4営業日ぶりに下げた。

イタリア10年債利回りは1bp低下の1.97%。ドイツ国債に対するスプ レッドは2bp拡大し128bpとなった。

原題:German Yield Falls From 3-Week High as Selloff Seen Excessive(抜粋)