ドル・円は119円台後半、中国株一時伸び悩み円売り限定的

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東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ド ル=119円台後半で推移。中国株が一時伸び悩んだことを背景に世界的 な株安への警戒感がくすぶり、円売りの動きは限定的となった。

27日午後3時25分現在のドル・円相場は119円90銭付近。朝方に一 時は120円37銭と2営業日ぶりの円安値を付けた後、119円82銭まで円が 水準を切り上げ、午後は120円を挟んでもみ合った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの山田修輔チーフ FXストラテジストは、「市場センチメントはいったん改善したが、根 本的には中国や主要国から政策対応が出ていないので、ボラティリティ が高い状況が続きそうな感じはする」と指摘。株価は依然として不安定 だとし、「ドルの下値不安は拭えない」と話す。

この日の中国株式相場は上海総合指数が反発して取引を開始し、一 時は3000の大台を回復したが、午後には下落に転じる場面も見られてい る。日経平均株価は続伸し、一時前日比2.4%高まで上昇したものの、 その後は伸び悩み、結局、1.1%高で取引を終えた。

中国人民銀行(中央銀行)は27日、公開市場操作(オペ)を通じ再 び大規模な資金供給を実施した。

日本銀行の黒田東彦総裁は26日、ニューヨークでの講演後の質疑応 答で、中国経済について「上海株の急激な下落にもかかわらず、今年、 来年ともに6%ないし7%の経済成長を維持することができるとみてい る」と指摘。さらに、中国政府には「6、7%の成長を維持する上で、 かなり多くの政策余地がある」と語った。

米利上げ時期見極め

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は26日の記者会見で、「現時点で の私の考えでは、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で正常化のプ ロセス開始を決定する論拠は数週間前に比べやや弱くなっているよう だ」と述べた。一方、「米経済情勢に加え、国際・金融市場の動向に関 する情報がもっと手に入るため、FOMC会合までに正常化への論拠が 強まる可能性もある」と付け加えた。

27日からは米ワイオミング州のジャクソンホールでカンザスシティ ー連銀主催の年次シンポジウムが29日まで開かれる。米連邦準備制度理 事会(FRB)のイエレン議長は出席しない見通しで、29日にフィッシ ャー副議長が講演する。

BOAメリルの山田氏は、9月に利上げとなると、株式市場にとっ てネガティブな影響となり、ドル・円は下がる可能性の方が高いと指 摘。「順序としては、中国を中心とした主要国の当局から、市場が自信 を取り戻せるような確固とした対策が打ち出されて、相場が落ち着いて から、利上げに踏み切る必要がある」とみる。

欧州中央銀行(ECB)のプラート理事は26日、ドイツのマンハイ ムで記者団に対し、「世界経済と商品市場における最近の展開は、イン フレ率が2%に向けて持続的に上昇するというシナリオに対する下振れ リスクを高めた」と分析。その上で「必要とあらば行動する政策委員会 の意志と能力を、不確実視すべきではない」と述べた。

これを受けて、海外市場ではユーロ売りが進み、ユーロ・ドル相場 は一時1ユーロ=1.1292ドルと3営業日ぶりの安値を付けた。東京市場 では1.13ドル台半ばまで値を戻している。

--取材協力:大塚美佳.

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