米国債上昇を阻む中国、株安で資金流入でも-グロース氏が示唆

  • 中国が元相場を支えるため米国債保有を減らしている可能性
  • グロース氏が「中国が米長期国債を売っている?」とツイート

世界の株式市場で時価総額8兆ドル(約960兆円)が失われた過去2週間の株安の中で、米国債はなぜもっと上昇しないのかと疑問を抱く人にはビル・グロース氏のツイートが答えとなるかもしれない。

  ジャナス・キャピタル・グループの債券ファンド「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ ボンド・ファンド」で14億7000万ドル相当の資産を運用するグロース氏は26日、「中国が米長期国債を売っている?」とツイートした。

 株式相場が今週、調整局面入りした後、米国債は世界で最も安全な資金の避難先であるにもかかわらず利回りは依然1年平均付近にとどまっている。

 それが中国のせいかもしれない理由を理解するには中国人民銀行(中央銀行)が今月行った措置を振り返る必要がある。

  人民銀は世界を驚かせた今月11日の人民元切り下げ後、為替レートの安定化を図り元買い・ドル売り介入を実施。ソシエテ・ジェネラルの推計によれば、同中銀はこの2週間に3兆7000億ドルの外貨準備高から米国債など少なくとも1060億ドル相当売却したもようだ。これがなければ、投資家が資金を株から米国債に避難させる中で利回りは下げていたはずだった。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)の金利・通貨調査グローバル責任者のデービッド・ウー氏はブルームバーグとのインタビューで、「中国人民銀が元相場の防衛で米国債を売っているため、急速な株安にもかかわらず米国債利回りは下がっていない」と説明。「中国は米金利を通じて世界市場に直接影響を及ぼしている」と指摘した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、10年物米国債利回りは2.18%と1年平均と一致。トレーダーが見込む来月の米利上げ確率は3週間前の50%から24%に低下したが、10年債利回りはこの2週間、2%以上の水準で推移している。30年債利回りは2.93%と、1年平均(2.87%)を上回っている。

  グロース氏に同氏のツイートに関してコメントを求める電子メールを送ったが、返答はない。

原題:How China Is Keeping Treasuries Cheap Amid Safe-Haven Stampede(抜粋)

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