JX:「1セントでも安く」、新たな原油調達先開拓-マージン悪化で

  • 中東は中核であり続ける-あふれた割安な域外の原油を拾いに行く
  • 競争は国内外で厳しい時代、経済性によりセンシティブに

JX日鉱日石エネルギーは、原油の調達先を中東以外の地域にも多様化する取り組みで経済性重視の傾向を強めている。世界的な過剰感で原油の安定供給に対する懸念は後退する中で、国内外の石油精製会社との競争激化などで石油製品の利ざや(マージン)が悪化しているためだ。

同社原油外航部の峰岸実部長はブルームバーグのインタビューで、新たな原油の調達先について「1セントでも安ければ取りにいく」という考え方が従来よりも強まっていると述べた。製油所では原油ごとに異なる性質に対応することが求められるため、これまで同社が購入したことのない原油の中から「サンプルを取って準備をやり始めているところもある」と話した。

メキシコ国営石油公社(ぺメックス)は7月、JXとの間で、同国太平洋沿岸のサリナクルス港から輸出されるイスムス原油を8月から2016年1月まで6回に分けて計600万バレル販売することで合意したと発表した。

日本の石油各社は原油調達の約8割を中東各国に依存している。国内最大手JXにとっても「中東は中核であり続けるが、域外であふれてきたものは割安なこともあり得る。それを拾っていく」とし、調達先の多様化を加速する考えを示した。

欧州での需要の伸び悩みや米国でのシェールオイルの生産増、価格下落でも生産量は維持する中東産油国の姿勢などを背景に、原油の需給バランスは世界的に緩和傾向。中国景気の減速懸念はあるものの、需要が伸びているアジアに世界各国から原油が集まる動きが出ており、こういったものが「割安なこともありえる」という。コスト削減でしのぎを削る石油精製各社の間には「そういう機会を捉えてやっていかないとという意識」が広がっているという。

マージン悪化

ブルームバーグのデータによるとアジアの精製会社の指標であるドバイ原油の価格は、24日に43ドルを割り込み7カ月ぶりの安値を付けた。原料である原油の価格が下落したものの、アジア市場では中東で新たに稼働を始めた製油所や中国からの輸出が増えたことで、石油製品の価格も下落した。製品の価格から原油の価格を引いて算出するマージンが悪化しており、域内の石油精製各社の収益を圧迫している。

ロンドンのブローカーPVMのデータによると、7月1日から8月25日までのシンガポールの軽油とドバイ原油の価格差(クラックスプレッド)の平均は1バレル当たり10.75ドル。1-3月期平均の15.52ドルや4-6月期平均の13.67ドルよりも下落している。

峰岸氏は「国内、海外の競争といろいろな意味で厳しい時代に入っているので、より経済性にセンシティブになってる」と述べた。