元米規制委員長:川内原発を教訓に-事業者間の相互検査の仕組みも

元米原子力規制委員会委員長のデール・クラ イン氏は、他の電力会社は再稼働した九州電力の川内原子力発電所1号 機で発生した課題を教訓にするとともに、原発を保有する事業者間で相 互に原発を検査し合うという米国での取り組みも参考にすべきとの考え を示した。

国内外の専門家で構成される東京電力の原子力改革監視委員会で委 員長を務めるクライン氏が、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュ ーに応じた。1979年のスリーマイル原発事故以降、事業者が相互に原発 をチェックする体制を構築した米国では、競合関係にある事業者間の検 査の方が規制当局の審査以上に厳しくなる傾向にあり、安全性の向上に 寄与しているという。

同氏は相互検査の長所について「事業会社の人間であれば原発を運 転した経験があり、検査対象が必要な基準を満たしているかどうかはす ぐにわかる」と指摘。「規制当局には原発を実際に運転した経験はな い」と話した。

2016年4月に電力小売りの全面自由化、20年には発送電分離が予定 されており電力会社間では競争が加速している。米国でも原発の安全に 関する情報の共有が企業間の競争で妨げられることが懸念されたもの の、事故による原発事業全体への負の影響を避けることの方を優先する という考えが広まり、相互チェックの体制は機能しているという。

福島原発事故を踏まえて厳格化された新規制基準の下で初めて再稼 働を果たした川内原発1号機では、復水器に海水が混入する問題が見つ かり、営業運転の開始に向けた工程に遅れが生じている。

原子力改革監視委員会は今後、柏崎刈羽原発の視察を予定してお り、クライン氏は「川内原発の再稼働で見つかった問題への対処だけで なく、それ以上の準備が整っているかを確かめる」と話した。