あれはフラッシュクラッシュだったのか-24日の市場を検証

景気減速が世界中の金融市場を動揺させた24 日、米国の投資家は不安で落ち着かなかい朝を過ごした。

S&P500種株価指数が寄り付きと同時に5.3%急落し、取引中の下 げとしては4年ぶりの大幅安となったのをみて、投資家の不安は現実に なった。相場が急上昇したかと思えば、すぐにまた下げる、ローラーコ ースターの1日が始まった。このパターンは市場が引けるまで繰り返さ れ、S&P500種はその日を3.9%安で終えた。

そこに至るまでには大幅な相場変動や取引の一時停止、数年ぶりの 高いボラティリティーなどに見舞われた。サマーズ元財務長官がその日 の相場展開を過去と比べ、「非常に深刻な状況の初期段階に入った可能 性がある」とツイッターに投稿するほど、状況は悪化した。

24日の市場は何を意味するのか。主な疑問の一部に回答しよう。

1.あれはフラッシュクラッシュだったのか。

2010年5月6日に起きた「フラッシュクラッシュ」は衝撃的だっ た。何の予兆もなく株式市場からは時価総額にして1兆ドル近くが消失 し、相場はその直後に急落をほぼ埋めた。今月24日の相場下落は急速だ ったが、投資家心理を正当に反映したものに見える。世界経済が悪化し ているとの不安が広がるなか、株価指数は世界中で下落し、中でも中国 の上海総合指数は8.5%急落した。米連邦公開市場委員会(FOMC) が近く政策金利を引き上げるとの心配もあり、そうなれば6年に及ぶ株 式の強気相場が波乱に見舞われることになるとの声も上がっていた。こ うした悲観を反映し、S&P500種は2011年8月以降で最大の値下がり で取引を終了。寄り付きでの急落は単なるヘッドフェイクではなかっ た。

GE、JPモルガン

2.暴落した銘柄はなかったのか。

安寄りした銘柄は多く、これにはゼネラル・エレクトリックやJP モルガン・チェースも含まれる。間もなくして売りはさらに膨らみ、 GEとJPモルガンはいずれも一時的に21%安まで売り込まれた。

3.どういう保護策が設けられていたのか。

2010年のフラッシュクラッシュ以降、取引制限システムが導入され た。トレーダーは株価の平均値を挟んで特定のレンジを超えて価格を提 示してはならないことになった。この制限が24日の朝、GEやJPモル ガンなどに発動されなかったのは恐らく、寄り付き直後の数分間は許容 される価格帯が広すぎるためと考えられる。下げは大きかったものの、 十分に大きいわけではなかった。結局、GEは2.9%安、JPモルガン は5.3%安と朝方に比べれば相対的に小さな下げで取引を終えた。

上場投資信託

4.取引停止は起きたのか。

ニューヨーク証券取引所の運営会社によると、24日の取引中に1278 回、それぞれの銘柄に対して5分間取引停止が適用された。通常は1日 に10件未満だという。1278件のうち999件は、上場投資信託(ETF) の上場数がどこよりも多いNYSEアーカ取引所で起きた。比較的取引 の少ないETFの多くが元株の大幅変動で取引困難に陥ったことがうか がえる。

フラッシュクラッシュ後に導入された新ルールの下、「ボラティリ ティーが急激に高まると、それは目に見えて分かるようになった」と調 査会社タブ・グループのラリー・タブ最高経営責任者(CEO)は述べ た。

5.どれほどひどい状況があり得たのか。

ニューヨーク時間午後3時25分までにS&P500種が7%下げてい たら、株式市場全体が15分間の取引停止になるはずだった。その日の下 げは最大で5.3%。もし13%下げればさらに15分の取引停止。20%暴落 すれば、終日取引停止になるはずだった。

恐怖指数

6.それ以外は問題のない一日だったのか。

そんなことはない。恐怖指数という異名を取るシカゴ・オプション 取引所 (CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は、2011年10月 以来の高いレベルに達した。取引開始直後の値動きがあまりにも極端だ ったため、同指数は寄り付きからの30分、算出不能に陥った。

7.取引所に何らかの機能不全があったのか。

出来高は140億株を超えていた。昨年の1日平均である66億株の倍 以上であり、2011年8月以降で最も大きな商いとなった。出来高の大き さとボラティリティーによるプレッシャーにもかかわらず、機能不全の 報告はなかった。取引所運営会社の経営幹部や証券会社は胸をなでおろ していることだろう。

原題:Was This a Flash Crash? And Other Questions About Monday’s Swoon(抜粋)