長期金利が小幅上昇、国内株高が重し-金利上昇リスクに警戒との見方

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債券市場では長期金利が小幅上昇した。前日 の米国債相場が1週間ぶりに反落したことに加えて、国内株式相場の大 幅反発が売り手掛かりとなった。市場参加者からは、金利上昇リスクを 警戒しているとの見方が出ていた。

26日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回 債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値よ り0.5ベーシスポイント(bp)高い0.375%で開始。しばらく0.37%で推移 したが、午後は再び0.375%を付けた。新発5年物の124回債利回り は0.5bp高い0.075%。新発20年物の153回債利回りは0.5bp高い1.14%で 開始し、一時1.15%と1週間ぶり水準まで上昇した。

長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比4銭安の147円90銭 で開始し、147円88銭まで下落した後、水準を切り上げ、7銭高の148 円01銭を付けた。午後は前日の終値付近でもみ合いとなり、結局は3銭 高の147円97銭で引けた。

野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「これまでの展開か ら先物が148円を上回ると重たい印象。10年債利回りの0.35%割れ定着 は難しい感じで、売りが出ている」と話した。一方、「目先は長い年限 の入札がないほか、月末に向けて保有年限の長期化の需要もあり、需給 は良い。日銀買い入れオペの結果は、短いゾーンは応札倍率が高いが、 2年債入札を控えているので気にしないで良いだろう」と述べた。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ4本の結果によると、 残存期間1年超3年以下、10年超25年以下、25年超の応札倍率が前回か ら上昇した。一方、3年超5年以下は低下した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「先週 からグローバル市場でリスク回避の動き。円債市場は金利低下方向なが ら買い進むには至っていない」と話した。「市場の流動性が乏しくなっ ているため、きっかけ次第で金利が上昇するリスクを警戒しているもよ う」とも言う。

25日の米国債相場は5営業日ぶりに下落した。10年国債利回りは前 日比7bp上昇の2.07%程度となった。同日の米株相場は続落。中国人民 銀行(中央銀行)が25日に追加の金融緩和を発表したことで欧州株相場 が軒並み反発し、米株式にも買いが先行した。しかし、中国市場に対す る根強い不安を背景に取引終盤に売りが優勢となった。

一方、26日の中国株式市場で上海総合指数は前日比0.5%高 の2980.794で開始。政策金利と預金準備率の引き下げを決定したことを 好感して買いが入った。その後は前日終値を挟んでもみ合い。この日の 東京株式相場は大幅反発。TOPIXは同3.2%高の1478.97で引けた。 日経平均株価は終値で1万8000円台を2日ぶりに回復した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「リスクオフの 収束には時間がかかるとの見方が多いとみられ、投資家は押し目買いス タンス。中国景気の下振れ懸念に伴うリスクオフを払しょくするには、 強い米経済指標などアップサイドのショックが必要だ」と言う。「投資 家が10年債利回りの0.3%割れまで想定して買うほど前向きではないよ うだ。世界的な景気減速が確認される必要があろう」と言う。

--取材協力:池田祐美.

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