浜田参与:金融緩和必要、来期ゼロ成長なら-いま性急な行動不要

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内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授 は25日、7-9月期の国内総生産(GDP)がゼロ成長になれば追加の 金融緩和が必要だとの認識を示した。中国発の世界同時株安とそれに伴 う円高の動きについては、性急に行動せずに落ち着いて対応することが 望ましいとしている。

ブルームバーグのインタビューで浜田氏は、3期ぶりのマイナス成 長となった4-6月期のGDP速報値について「陰ってきている」と指 摘。「2期続くなら季節的要因とは言えなくなる。来期がマイナスもし くはゼロ成長になるようなら金融緩和、そして財政措置が必要になる」 と語った。

中国経済に端を発した世界経済の混乱については政府、日本銀行は 「1週間くらいは冷静に見ていていい」としたうえで「中国の政策の円 高への影響があまりに強すぎるならば、それを和らげるような一層の金 融緩和をすべき」との見方を示した。タイミングについては日銀の判断 に任せるとした。

さらに浜田氏は「今までの円安の要因には米連邦準備制度理事会 (FRB)がどこかで出口戦略にいくという観測があった」と説明。し かし今、中国経済の減速を背景に世界経済が不安定になるなか「FRB の出口戦略が後ずれする可能性も出てきた。それが日本の為替にどのよ うな影響を与えるのか注視しないといけない」との考えを示した。

足元のドル・円相場は1ドル=119円台前半で推移。浜田氏は為替 相場の水準についてはコメントを控えた。

物価安定目標

原油価格が下落を続ける中で浜田氏は、物価安定目標について「石 油と食料品を除いたコアコアで立てるべき」と指摘。現行の金融緩和政 策については「今はコアコアでも1%以下だから、金融緩和をしてデフ レの根源を断ち切る必要がある」と述べた。目標達成時期については明 言を避けた。

安倍晋三首相は24日の参院予算委員会で物価安定目標の達成につい て「事実上難しくなっていることについては、われわれは日銀側の説明 を理解している」と答弁していた。

世界同時株安

中国発の世界同時株安について浜田氏は「歴史を鑑みると、極端な 株価、地価、為替レートの変動があった時は、それを修正する動きが起 こる。株価も為替もあるところで変動幅は安定する」と分析。一方で 「1度中国株が危ないという概念ができてしまうと、なかなか昔の水準 まで戻るのは難しいかもしれない」との見方も示した。

浜田氏は、日本経済とアメリカ経済については「心配する必要はな い」と発言。ただ、アベノミクスの恩恵を受けていない低所得者を支援 する財政措置が必要として「食料品への消費税を全廃するのも一手」 と述べた。