中国ショックで円予想変動率急騰、東日本大震災直後以降最大

中国発の世界的な株価急落で投資家心理が萎 縮する中、ドル・円の予想変動率が急上昇している。

世界同時株安に見舞われた24日、ドル・円の3カ月物のインプライ ド・ボラティリティ(予想変動率、IV)は1月以来の高水準とな る11%台半ばに上昇。1日の上昇率は22%と、東日本大震災直後の2011 年3月15日以降で最大となった。

円は同日、対ドルで約7カ月ぶり高値となる1ドル=116円18銭ま で急騰。リスク回避の動きが加速する中、一時6円近くも円高が進み、 終値ベースでは3.1%高と10年5月以来の大幅高となった。

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、 「昨日 の資産価格の下げはどこもリーマンショック級だったので、次の危機が 到来したと思う参加者が多いのであれば、11年3月も問題にならないの ではないか」と指摘。「今までは『ポストリーマン』だったが、『ポス トチャイナ』という理解が一部にあるのではないか」と話した。

オプション需給の傾きを示すドル・円のリスク・リバーサル率(3 カ月物25デルタ)は25日、一時マイナス1.05%と昨年2月以来の水準に 低下した。マイナス値が大きいほど、円を買う権利を付与するオプショ ンの需要が売る権利を付与するオプションとの比較で強いことを示す。

急激な円高や株安は、デフレ脱却の途上にある日本経済にとって逆 風となる。麻生太郎財務相は25日の閣議後会見で、世界的な株安や円相 場の急激な変動について、中国通貨当局が株式売買停止や為替介入など 「国際通貨を目指すような通貨とは思えない政策」を取っていることが 背景にあるとの見方を示した。

中国人民銀行(中央銀行)は今月11日に人民元の実質切り下げを発 表。金融融市場では同国の景気悪化懸念が拡大し、商品安や株安が加速 した。

SMBC信託銀行金融商品開発部のシニアマネジャー、シモン・ピ アンフェティ氏は、「今後、日銀や中国人民銀、あるいはECB(欧州 中央銀行)からさえも口先介入があるだろう」と指摘。「私の考えでは パニック売りは過ぎた。ドル・円が今のレベルで買いであると同様、 IVは売りだ」と語った。

25日午後3時25分現在のドル・円相場は前日終値比70銭円安の119 円11銭で推移。3カ月物のIVは10%台後半へ低下している。

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