新興国株安言い当てたヘッジファンド顧問、空売り縮小を推奨

新興国株の急落を正確に予想していたヘッジ ファンド・コンサルタントのジュリアン・ブリグデン氏は今、米連邦準 備制度理事会(FRB)の利上げ先送り見通しを理由に、弱気派がショ ート(空売り)ポジションを一部手じまいすべき時期だと指摘してい る。

ウォール街のベテランのブリグデン氏(50)は4月、新興国株が年 初来高値を付けてから2日以内に下落に賭けるよう勧めた。人民元切り 下げのリスクについても、当局が実行する1カ月前に警告していた。

新興国の株式と通貨の総崩れが世界に波及しているため、FRB は2006年以降で最初の利上げを延期する公算が大きいとブリグデン氏は 予想する。そうなればドルの上昇が抑制され、新興国株には一時的な安 心感をもたらすという。

マクロ・インテリジェンス2パートナーズのマネジングパートナー を務める同氏は電話インタビューで、「結局のところこの問題が解決さ れると考えているかと問われれば、答えはノーだ。だが、米国から何ら かの政策対応が見込まれるポイントに到達したのかと聞かれれば、恐ら くそうだろうと思う」と語った。

新興国株売りは8月11日の元切り下げショックで加速し、世界の市 場に波紋を広げており、世界の株式相場の時価総額は8兆ドル(約960 兆円)失われた。中国株は24日に2007年以来最大の下げを記録。商品相 場は16年ぶりの安値を付け、S&P500種株価指数は約4年ぶりの調整 局面入りした。

有害な環境

ブリグデン氏は4月30日にMSCI新興市場指数に連動するブラッ クロックの上場投資信託(ETF)の売りを勧め、米金利上昇が新興市 場にとって「有害になる」と述べていた。同ETFはその後27%下落し た。

同氏はドル高がアジアで信用収縮を招く恐れがあるとして、7月ま では顧客にシンガポール・ドルとマレーシア・リンギットの売りを勧め ていた。また、中国の実質的なドル・ペッグ(連動)が一段と維持しづ らくなっていると警告した。

そんな同氏は先週、新興市場ETFの空売りポジションを半分に減 らすよう顧客に推奨。新興国資産の値下がりはまだ続くものの、米当局 が年内利上げを見送る可能性があるため、空売りの妙味は低下したと説 明した。

その上で同氏は、新興国資産の短期的な回復が年末まで続く可能性 はあるとしながらも「大きな回復にはならない」と述べ、MSCI新興 市場指数は向こう5年間に、24日終値を48%下回る400前後にいずれ下 落するとの見方を示した。

原題:Hedge Fund Adviser Who Called Emerging Stock Rout Ends Short Bet (抜粋)