世界的な株価下落、M&Aに影響-過去最高更新は困難か

世界的株安による次の犠牲者が生まれるかも しれない。それは今年に入って活況を呈している企業の合併・買収 (M&A)だ。

M&A総額はこれまで、通年で3兆ドル(約357兆円)を超えて過 去最高だった2007年水準を上回る勢いで進んできた。しかし、株価下落 によりM&Aと新規株式公開(IPO)を通じて業績拡大を目指す企業 幹部の信頼感が低下している。提案中のM&Aの半分以上を占める株式 による支払いを含む案件が特にリスクにさらされそうだ。

法律事務所アレン・アンド・オブリー(ロンドン)のパートナー、 リチャード・クランフィールド氏は、「株式市場の大幅下落と中国の実 質経済成長率への懸念が今後のM&AとIPOに悪影響を及ぼす可能性 が高い。交渉中だがまだ公表されていない案件が影響を受けやすい」と の見通しを示した。

今年に入って発表または提案された大規模で全てが株式によるM& Aは数件あるが、完了していない。アイルランドの製薬会社シャイアー はバイオ医薬品の米バクスアルタに株式交換による約300億ドル相当の 買収案を提示。バクスアルタの株式1株につきシャイアーの米国預託証 券(ADR)を0.1687ADR支払うことを提案した。オランダの小売企 業ロイヤル・アホルドは6月に、ベルギーの同業デレーズ・グループを 株式交換を通じ約93億2000万ユーロ(約1兆2800億円)相当で買収する ことで合意した。

ユナイテッド・ファースト・パートナーズ(ロンドン)の特別状況 アナリスト、ギレス・マッジョラーニ氏は電話インタビューで、「現金 が一番だ。投資家は市場へのエクスポージャーを最小限にとどめること を望み、株式の占める割合が大きい買収提案に伴う株価下落の可能性を 制限することを求めている」と述べた。

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