8月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎ NY外為:ドル下落、対ユーロ7カ月ぶり安値-米利上げ観測後退

24日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで7カ月ぶり 安値に下落。世界経済が勢いを失っているとの懸念から年内の米利上げ 観測が後退し、ドル売りが膨らんだ。

中国が11日に人民元を事実上切り下げて以来、商品安を背景に新興 国通貨の下落が進んでいる。米国株が下げ渋ると、ドルは下げ幅を縮小 した。

CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパ ン・ライ氏は「痛みはなおも続くと考えている。まだ困難を脱していな い」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前週末 比2.1%安の1ユーロ=1.1619ドル。一時は1.1714ドルと、1月15日以 来の安値水準を付けた。対円では3%下落して1ドル=118円41銭。一 時は1月16日以来の安値となる116円18銭まで下げた。

さまざまな先物やオプションの指標となっているインターコンチネ ンタル取引所(ICE)のドル指数は1.8%低下。一時は2.5%安 と、2009年3月以来の大幅な低下した。

ゲイン・キャピタル・ホールディングス傘下フォレックス・ドッ ト・コムのアナリスト、マット・ウェラー氏は「相場の動きは荒く、パ ニックに陥っている。感情的なドル売りが広がっている」と述べた。

ロックハート総裁

アトランタ連銀のロックハート総裁は、約10年ぶりとなる米利上げ が年内に実施されると引き続き予想していると述べながらも、ドル高と 人民元安、原油安が見通しを複雑にしていると指摘した。

9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定される 確率は22%として金利先物市場は織り込んでいる。18日は48%だった。 これは引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定が基になっている。12月利上げの確率は 約44%と、1週間前の73%から低下した。

ABNアムロ銀行の為替ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ 氏(アムステルダム在勤)は「市場は中国の成長見通しと、それがドル に及ぼしかねない影響に非常に神経質になっている」と指摘した。

資源国通貨が下落する中、上海総合指数は前週末比8.5%安。ニュ ージーランド・ドルは過去30年で最大の下げを演じ、豪ドルは5年ぶり の大幅安。カナダ・ドルは11年ぶり安値を付け、南アフリカ・ランドは 最安値を記録した。

「綱引き」

CIBCのライ氏は「ドルは綱引きの状態になるだろう。9月利上 げの観測が弱まる一方、痛手が大きい新興市場からの安全な逃避先とい う面もある」と語った。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、先進10カ国の通貨の中 で過去1週間では円とユーロ、スイス・フランの上げが目立っている。

コメルツバンクの通貨ストラテジスト、エスター・ライケルト氏は これら3通貨について、金利が低いことから最適な資金調達通貨になっ ていると指摘。「資金調達通貨の特徴はリスクが高いとき、調達先に資 金が戻るため、安全な逃避先を求めるフローから恩恵を受けることだ」 と述べた。

原題:Dollar Slumps to Seven-Month Low Versus Euro Amid Global Rout(抜粋)

◎米国株:急落、S&P500種は調整局面入り-激しい値動き

24日の米国株は急落。世界的にも株価は大きく下落する中、ボラテ ィリティーが極めて高い取引となり、S&P500種株価指数は2011年以 来で初めて調整局面に入った。

寄り付きで急落した後、大きく戻すなど、この日の株価は激しく変 動した。ナスダック100指数は9.8%安まで下げたものの、取引中盤まで にはその下げをほぼ埋めるほど回復した。ダウ工業株30種平均は取引開 始後数分で1000ドル下げた。S&P500種は5.3%安となった後に下げ幅 を縮小したが、午後に入り再び売り圧力が高まった。

S&P500種は前週末比3.9%下げて1893.21。5月に記録した過去 最高値からは11%の値下がり。ダウ平均は588.40ドル(3.6%)安 い15871.35ドルだった。ナスダック総合指数は3.8%下げて、昨年10 月27日以来の低水準となった。

ロバート・W・ベアード(ミルウォーキー)のチーフ投資ストラテ ジスト、ブルース・ビトルズ氏は「中国の投資家が同国中銀への信頼感 を失い、市場にとっては警戒すべき難しい状況となった」と述べ、「結 局のところ中国が深刻な景気減速に陥るのかどうかに左右される。それ が現実に起きた場合、米国にも余波が来るだろう」と続けた。

米証券取引所全体の出来高は約140億株と、約4年ぶりの高水準だ った。

高いボラティリティー

シカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は45%上昇して40.74。一時は90%上昇し、2009年1月以来の 水準まで上げた。

この日のダウ平均の変動幅は1089.42ドルと、過去最大。S&P500 種とダウ平均のここ2営業日間の下げは2008年12月以来で最大だった。

S&P500種の株価収益率(PER)は16.76倍と、昨年10月以来の 低水準。2014年1月以来の割安水準となる16.50倍を少し上回る水準で 底入れした。割高感が薄れたために一部投資家の買いが戻り、株価は寄 り付き後の急落から下げ幅を縮小した。

月間ベースでは同株価指数は8月としては17年ぶりの大幅安となっ ている。先週末は2011年以来で最大の落ち込みだった。

9月16-17日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決 定される確率は25%未満となっている。中国が人民元を切り下げる前の 確率は約48%だった。低迷する株式市場を背景に世界経済は米利上げに 十分対応できるとの信頼感が揺らいでいる。

S&P500種株価指数の産業別10指数はいずれも下落。素材株やエ ネルギー株が特に売られた。シティグループやJPモルガン・チェース も安い。

この日値上がりした銘柄はS&P500種の中では6銘柄だけだっ た。天然ガス供給のAGLリソーシズは米3位の公益企業サザンへの80 億ドルでの身売り合意が好感されて28%急伸した。

原題:S&P 500 Index Falls Into Correction Amid Global Equities Rout(抜粋)

◎米国債:上昇、10年債利回りは一時4月以来の低水準-逃避需要

24日の米国債相場は上昇。株価の急落を受け、米国債の逃避需要が 高まった。

米国債は朝方、主要株価指数が軒並み下げる中で大きく上昇。10年 債利回りは4月以来の低水準を付けた。トレーダーらは米金融当局によ る年内利上げの予想を後退させ、またインフレ期待を表す債券市場の指 標は一時、2009年以来の低水準を付けた。

10年債利回りは一時1.9%まで下げたが、株価の回復に伴い下げを 縮めた。約3時間で21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)変動 した。30年債利回りも同様の動きを見せた。米国債最大のディーラー間 ブローカー、ICAPのプラットフォーム、ブローカーテックを通じた 米国債取引高は6000億ドル超と、昨年10月15日以来の高水準となった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・クレジット担 当責任者、トーマス・ディガロマ氏は「きょうのテーマはボラティリテ ィだ」とし、「かなりストレスがたまる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2%ちょうど。同年債(表面利率 2%、2025年8月償還)価格は9/32上げて99 15/16。

この日は、アジアでの株安の流れを引き継ぐ形で欧米の株式相場も 大きく下落。商品22品目で構成するブルームバーグ商品指数は1999年8 月以来の低水準に下げた。S&P500種株価指数は4%近く下落。一時 は5%超下げた。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は他の市場の動きを追う形で 「国債利回りは犬がしっぽを振るように大きく動いている」と指摘し た。

利上げ見通し

先物取引動向によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月会 合で利上げを決定する確率は22%と、21日時点での34%から低下。12月 会合での利上げ確率も61%から44%に低下した。これら確率は、利上げ 後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮 定に基づく。

米アトランタ連銀のロックハート総裁はこの日、 約10年ぶりとな る米利上げが年内に実施されると引き続き予想していると述べながら も、ドル高と人民元安、原油安が見通しを複雑にしていると指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの債券指数による と、株価が先週下げる中で、投資家が保有する米国債の価値は670億ド ル膨らんだ。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのチーフ債券スト ラテジスト、ジェームズ・コーチャン氏は「大量の資金を抱え逃避先を 探す世界の投資家としては、選択肢は米国債しかない」とし、「他に逃 避先は思いつかない」と続けた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、米10年債の主要7カ国 (G7)国債に対する上乗せ利回りは0.86ポイントと、2月以降で最小 となった。

インフレ期待指標である10年債と同年限のインフレ連動債との利回 り格差は一時1.44ポイントと、09年5月以降で最小となった。

原題:Treasury Yields Touch Lowest Since April Prompted by Stock Rout(抜粋)

◎NY金:もみ合い後下落-中国の成長懸念でプラチナ2年ぶり大幅安

24日のニューヨーク貴金属市場の金先物は下落。逃避の買いと商品 安に挟まれもみあう展開。プラチナ先物相場は約2年ぶりの大幅下落。 中国経済をめぐる不安で市場が揺れる中、商品需要の見通しが後退し た。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、「きょうはプラチナの工 業的な側面が鮮明になっている」と指摘。「世界第2の経済国が劇的に 減速しているとして、ちょっとしたパニック状態になっているようだ」 と述べた。

プラチナ先物10月限は前週末比3.5%安の1オンス=991.50ドルで 終了。2013年6月以来の大幅下落となった。

金相場はもみ合い相場となった。金先物12月限は0.5%下落の1オ ンス=1153.60ドルで終了。一時は0.9%上昇する場面もあった。

銀は一時4.9%安。パラジウムは一時6.8%値下がりした。

原題:Platinum Drops the Most in Two Years on China Growth Concerns(抜粋)

◎NY原油:大幅安、38ドル台-ブレントは6年ぶり45ドル割れ

24日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は大幅続落。ロンドンの北海ブレント原油も売 りを浴び、2009年3月以降で初めて1バレル=45ドルを割り込んだ。石 油輸出国機構(OPEC)と米国の増産で世界的な供給超過が悪化する と警戒されるなか、中国の需要減速不安が広がった。

イランのザンギャネ石油相は原油市場での同国のシェアを確保する ため「何としても」増産すると述べた。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は電話取材に対し、「6年半ぶりの安値だ が、まだ下げる余地がある」と話した。「リスクオフのシナリオはまだ 続く。イラン石油相による市場シェア確保宣言は歓迎されなかった」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前週 末比2.21ドル(5.46%)安い1バレル=38.24ドルで終了。終値ベース で2009年2月18日以来の安値。ロンドンICEのブレント10月限は2.77 ドル下げて42.69ドルで終了。

原題:Brent Oil Sinks Below $45 for First Time in Six Years on Glut(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数、08年来の大幅安-DAXは弱気相場入り

24日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数 は2008年以来の大幅安となった。ドイツのDAX指数は弱気相場入りし た。

ストックス600指数は前週末比5.3%安の342.01で取引を終了。一時 は8.1%下げた。構成銘柄のうち3銘柄を除き全て下落。商品相場 が1999年以来の低水準に向かっていることを背景に、業種別指数では鉱 山株を中心に資源銘柄が最もきつい値下がりとなった。DAX指数はこ の日4.7%下げ、過去最高値からの下落率は22%に達した。

中国の人民元切り下げを引き金とする相場下落で、ストックス600 指数は4月に付けた過去最高値から17%下げている。西欧市場では18カ 国17カ国の主要株価指数の高値からの下落率が10%以上となった。

ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)で62億ユー ロ相当の資産運用に携わるミヒャエル・ボイシュネック氏は、「この日 は誰もが売っていたようだ。パニック状態で、合理的な選択や反応はな かった」と語った。

年初来で大きく上げている指数の一つであるDAX指数について、 中国へのエクスポージャーから最も打撃を受ける株価指数に分類される だろうと、同氏は語った。ポルトガルのPSI20指数も弱気相場に突 入。高値からの下落率は21%となった。

英FTSE100指数は2012年以来の安値を付け、6000を割り込ん だ。グレンコアとBHPビリトンの下げが目立った。

原題:It’s Back to 2008 for Europe Stocks as DAX Enters Bear Market(抜粋)

◎欧州債:小動き、静かな展開-株安・通貨売りで世界が動揺する中

世界的な株安と通貨売りで金融市場が荒れ模様となった24日、欧州 の債券は比較的静かな展開となった。

わずか数週間前にギリシャのユーロ圏離脱の脅威を乗り越えたばか りの欧州債は、中国発の株安によって底堅さを示した。中国が人民元を 切り下げた11日以降、イタリアとスペインの10年債利回りの上げ幅は10 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満にとどまっている。

この日の取引で、欧州の国債相場は下げ幅を縮小。欧州中央銀行( ECB)による国債購入プログラムの一環で月600億ユーロ相当の債券 を購入する計画が、債券相場の支援材料となっている。

商品相場の下落でインフレ見通しが抑えられ、金融当局が支援策を 継続する可能性が高まった。こうした状況もソブリン債の需要を支える 要因となっている。

ノルデア銀行のチーフストラテジスト、ヤン・フォンゲリッヒ氏 (ヘルシンキ在勤)は「支援要因を一つだけ挙げるとすれば、当然のこ とながらそれはECBの購入計画だ」とし、「ECBの威力を知りなが らそれに立ち向かうことの利点は極めて限定的だ。状況が異なれば、全 般的なリスク回避の動きが国債相場にもっと大きな打撃を与えているだ ろう」と語った。

ロンドン時間午後4時32分現在、イタリア10年債利回りは前週末比 4bp上昇の1.9%。元切り下げの前日10日の利回りは1.83%だった。 同国債(表面利率1.5%、2025年6月償還)価格はこの日、0.33下 げ96.545。

一方、ドイツ10年債利回りは0.57%で、前週末からほぼ変わらず。 一時は6月1日以来の低水準を付けた。

原題:Traders Dumping Stocks, Currencies Leave Europe’s Bonds at Peace(抜粋)