NY外為:ドルが対ユーロと対円で大幅安、米利上げ観測後退

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24日のニューヨーク外国為替市場ではドルが 対ユーロで7カ月ぶり安値に下落。世界経済が勢いを失っているとの懸 念から年内の米利上げ観測が後退し、ドル売りが膨らんだ。

中国が11日に人民元を事実上切り下げて以来、商品安を背景に新興 国通貨の下落が進んでいる。米国株が下げ渋ると、ドルは下げ幅を縮小 した。

CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパ ン・ライ氏は「痛みはなおも続くと考えている。まだ困難を脱していな い」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前週末 比2.1%安の1ユーロ=1.1619ドル。一時は1.1714ドルと、1月15日以 来の安値水準を付けた。対円では3%下落して1ドル=118円41銭。一 時は1月16日以来の安値となる116円18銭まで下げた。

さまざまな先物やオプションの指標となっているインターコンチネ ンタル取引所(ICE)のドル指数は1.8%低下。一時は2.5%安 と、2009年3月以来の大幅な低下した。

ゲイン・キャピタル・ホールディングス傘下フォレックス・ドッ ト・コムのアナリスト、マット・ウェラー氏は「相場の動きは荒く、パ ニックに陥っている。感情的なドル売りが広がっている」と述べた。

ロックハート総裁

アトランタ連銀のロックハート総裁は、約10年ぶりとなる米利上げ が年内に実施されると引き続き予想していると述べながらも、ドル高と 人民元安、原油安が見通しを複雑にしていると指摘した。

9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定される 確率は22%として金利先物市場は織り込んでいる。18日は48%だった。 これは引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定が基になっている。12月利上げの確率は 約44%と、1週間前の73%から低下した。

ABNアムロ銀行の為替ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ 氏(アムステルダム在勤)は「市場は中国の成長見通しと、それがドル に及ぼしかねない影響に非常に神経質になっている」と指摘した。

資源国通貨が下落する中、上海総合指数は前週末比8.5%安。ニュ ージーランド・ドルは過去30年で最大の下げを演じ、豪ドルは5年ぶり の大幅安。カナダ・ドルは11年ぶり安値を付け、南アフリカ・ランドは 最安値を記録した。

「綱引き」

CIBCのライ氏は「ドルは綱引きの状態になるだろう。9月利上 げの観測が弱まる一方、痛手が大きい新興市場からの安全な逃避先とい う面もある」と語った。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、先進10カ国の通貨の中 で過去1週間では円とユーロ、スイス・フランの上げが目立っている。

コメルツバンクの通貨ストラテジスト、エスター・ライケルト氏は これら3通貨について、金利が低いことから最適な資金調達通貨になっ ていると指摘。「資金調達通貨の特徴はリスクが高いとき、調達先に資 金が戻るため、安全な逃避先を求めるフローから恩恵を受けることだ」 と述べた。

原題:Dollar Slumps to Seven-Month Low Versus Euro Amid Global Rout(抜粋)

--取材協力:Netty Ismail、Eshe Nelson.