米国債:上昇、10年債利回りは一時4月以来の低水準

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24日の米国債相場は上昇。株価の急落を受 け、米国債の逃避需要が高まった。

米国債は朝方、主要株価指数が軒並み下げる中で大きく上昇。10年 債利回りは4月以来の低水準を付けた。トレーダーらは米金融当局によ る年内利上げの予想を後退させ、またインフレ期待を表す債券市場の指 標は一時、2009年以来の低水準を付けた。

10年債利回りは一時1.9%まで下げたが、株価の回復に伴い下げを 縮めた。約3時間で21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)変動 した。30年債利回りも同様の動きを見せた。米国債最大のディーラー間 ブローカー、ICAPのプラットフォーム、ブローカーテックを通じた 米国債取引高は6000億ドル超と、昨年10月15日以来の高水準となった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・クレジット担 当責任者、トーマス・ディガロマ氏は「きょうのテーマはボラティリテ ィだ」とし、「かなりストレスがたまる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2%ちょうど。同年債(表面利率 2%、2025年8月償還)価格は9/32上げて99 15/16。

この日は、アジアでの株安の流れを引き継ぐ形で欧米の株式相場も 大きく下落。商品22品目で構成するブルームバーグ商品指数は1999年8 月以来の低水準に下げた。S&P500種株価指数は4%近く下落。一時 は5%超下げた。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は他の市場の動きを追う形で 「国債利回りは犬がしっぽを振るように大きく動いている」と指摘し た。

利上げ見通し

先物取引動向によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月会 合で利上げを決定する確率は22%と、21日時点での34%から低下。12月 会合での利上げ確率も61%から44%に低下した。これら確率は、利上げ 後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮 定に基づく。

米アトランタ連銀のロックハート総裁はこの日、 約10年ぶりとな る米利上げが年内に実施されると引き続き予想していると述べながら も、ドル高と人民元安、原油安が見通しを複雑にしていると指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの債券指数による と、株価が先週下げる中で、投資家が保有する米国債の価値は670億ド ル膨らんだ。

ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのチーフ債券スト ラテジスト、ジェームズ・コーチャン氏は「大量の資金を抱え逃避先を 探す世界の投資家としては、選択肢は米国債しかない」とし、「他に逃 避先は思いつかない」と続けた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、米10年債の主要7カ国 (G7)国債に対する上乗せ利回りは0.86ポイントと、2月以降で最小 となった。

インフレ期待指標である10年債と同年限のインフレ連動債との利回 り格差は一時1.44ポイントと、09年5月以降で最小となった。

原題:Treasury Yields Touch Lowest Since April Prompted by Stock Rout(抜粋)