ドル相場:強気後退の野村とバークレイズで正反対の予想

更新日時

世界的な株安や商品相場安で為替相場見通し に見直しの動きが広がる中、為替市場で大きな影響力を持つ野村ホール ディングスと英バークレイズは正反対の予想を立てている。

野村は商品相場の急落や世界の成長見通しの悪化を受けて、米金融 当局が年内利上げに不安を抱く可能性があるとして、ドルへの強気の見 方を後退させた。

バークレイズはこれに対し、全く同じ現象によって欧州経済に桁外 れの打撃が及び、ユーロ相場が下落すると予想する。

野村の通貨調査担当マネジングディレクター、イェンス・ノルドビ グ氏は21日発行の調査ノートで、「われわれの中心的なシナリオでは、 米金融当局がなお利上げに踏み切る可能性があるものの、われわれの確 信の水準は極めて低い」と指摘。このため、年内はユーロ・ドルのパリ ティー(等価)を試す可能性は「非常に小さいと考えられる」と記し た。

一方、外為調査部門責任者ホセ・ウィン氏(ニューヨーク在勤)率 いるバークレイズの調査グループは同日発行のリポートで、対ユーロで のドル強気予想を強めた。バークレイズは商品相場下落について、欧州 中央銀行(ECB)がデフレ回避のための債券購入プログラムを延長す ることにつながると結論付けている。

中国発の衝撃

バークレイズの外為ストラテジスト、ハミッシュ・ペッパー氏(ロ ンドン在勤)はインタビューで、「米経済の勢いはずっと力強い」とし た上で、ユーロ圏のコアインフレ率は「中国の通貨動向と商品相場安」 によって、米国よりも「一段と強力なディスインフレの衝撃を受けてい る」との考えを示した。

ドルは過去5営業日でユーロに対して5%下げ、25日の東京市場で は一時1ユーロ=1.1587ドルとなった。前週末は1.1386ドル前後だっ た。

野村はユーロ・ドルが年末までに1ユーロ=1.10ドル、来年6月ま でに1.06ドルになるとし、1.05ドルとしていた従来予想を変更した。バ ークレイズは年末までに1ユーロ=0.98ドル(従来は1ドル)、来年半 ばまでに0.93ドル(同0.95ドル)とした。

このところの市場の混乱に対する相反する反応の背景には、中国が 2週間前に予想外の人民元実質切り下げに踏み切り、商品が新たな売り を浴びたことで、世界経済の展望が不透明さを増したことがある。

投資家らは、米金融当局が利上げを先送りし、ドル保有の魅力が低 下するとの見方を強めつつある。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、9月の米連邦公開 市場委員会(FOMC)での利上げの確率が24%と、21日時点の34%か ら低下。12月の利上げの確率は47%(21日は61%)に低下した。

原題:Same Crisis Has Nomura and Barclays Making Opposite Dollar Calls(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE