米のデフレ予想する債券トレーダー、拙速な利上げリスク警告

みずほ投信投資顧問の伊藤祐介シニアファン ドマネージャーは、インフレに対しタカ派姿勢を取ることの愚かさが身 に染みて分かっている。日本経済がデフレに見舞われ、長年にわたり停 滞が続くのを目の当たりにしたためだ。

伊藤氏は、米金融当局が約10年ぶりの利上げに向けて準備する中、 米国でも同じようなことが起きる恐れがあると予想している。当局にと ってのリスクはインフレではなくデフレであり、デフレが何年にもわた りリスクとなる見通しだと指摘した。

つまり、米金融当局は先走りしている可能性があるということだ。 予想される米金融当局の動きについて、伊藤氏は時期尚早になろうとの 見方を示した。大半のエコノミストが予想するように9月か12月に利上 げに踏み切れば、後に政策の反転を余儀なくされる可能性がある。

このため、みずほは最も長期の米国債を大量に購入していると伊藤 氏は説明。米長期国債は景気が低迷し、インフレが抑制されている時に 最も好調な動きを示す傾向がある。日本の財務省が集計したデータによ ると、みずほなど日本勢は今年に入り約400億ドル(4兆8600億円)相 当の利付き米国債を買い増した。これは2010年以来の高水準だ。日本の 米国債保有残高は約1兆2000億ドルと、中国に続き2位。

米雇用情勢の回復を背景に金融当局が利上げに動こうとしている時 期に米国債に投資することは、リスクが高いと受け取られるかもしれな い。しかし債券市場はすでに、1年以内にデフレが顕在化するリスクに 備えている。

トレーダーは米消費者物価指数(CPI)が今後1年間に1.46%低 下すると予想している。これは米国が大恐慌以来の大幅なマイナス成長 に陥っていた09年2月以来の低い水準。

原題:Haunted by Deflation Omen, Bond Traders Warn of Rate Misstep (1)(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger.