ドルが一時121円台割れ、中国景気懸念でリスク回避の動き加速

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東京外国為替市場ではドルが対円で約1カ月 半ぶり安値に下落し、一時1ドル=121円台を割り込んだ。中国の景気 減速懸念を背景にアジア株が大幅続落する中、リスク回避の動きから円 やユーロなど低金利の調達通貨の買い戻しが加速した。

24日午後3時3分現在のドル・円相場は121円12銭前後。一時120 円73銭と7月9日以来のドル安値を付けた。また、ユーロ・ドル相場は 1ユーロ=1.13ドル台後半から一時1.1499ドルと2月5日以来の水準ま でユーロ高・ドル安が進行。同時刻現在は1.1428ドル前後となってい る。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司エグゼクティブ・ ディレクターは、一部で期待されていた中国の金融緩和策などが週末に 打ち出されなかったことで、新興国通貨が売られるなど「マーケットが 荒れている」と説明。朝鮮半島緊張の継続もあり、株式市場が落ち着か ないうちは、リスク資産から資金引き揚げ、調達通貨の買い戻しの流れ が続くだろうと話した。

ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対して前 週末終値比で上昇。ユーロもほぼ全面高となっている。一方、ドルは南 アフリカランドやオセアニア通貨、台湾ドルなどのアジア通貨などに対 して上昇している半面、円やユーロ、スイス・フランなどに対しては下 落している。

マネックス証券の山本雅文シニアストラテジストは、ユーロについ て、ギリシャ問題も第3次支援に向けて動いており、「総選挙もリスク 要因とはならないとの認識」だと指摘。「どの通貨を買ってよいか分か らない状況で、ユーロは避難通貨として買われている」と解説した。

株安止まらず

週明けのアジア株式相場は大幅続落。中国は23日に年金基金に株式 投資を初めて許可する計画を公表したが、株価の下落は止まらず、上海 総合指数は一時9%安となっている。日経平均株価も4月1日以来初め て1万9000円を割り込み、午後には937円安まで下げ幅を拡大した。

山本氏は、「中国株の下落が止まらないと、当局のコントロール能 力に懸念が強まるだろう」と指摘。「これまで中国が世界の景気を引っ 張っていたので、世界経済への懸念につながる」と話した。

一方、リスク回避の動きが加速する中、米国債相場は24日のアジア 時間に上昇し、10年債利回りは4月以来初めて2%を割り込んだ。

米利上げ後ずれ観測

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、「株価の下落傾向 が続けば、質への逃避から米国債の需要が高まり、米金利の低下につな がる」ことや、米利上げが10月以降にずれ込み「場合によっては年内の 利上げはないとの見方から、ドルに下落圧力が続く」と予想していた。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、金利先物市場が織り込んでい る9月16、17日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの確 率は24日時点で28%と前週末の34%から低下。1週間前は48%だった。

米国では今週、7月の新築住宅販売や耐久財受注、個人消費支出、 4-6月期の国内総生産(GDP)改定値が発表される。

山内氏は、9月利上げ観測が後退する中で、米経済指標が株価を下 支えするかが注目されると指摘。また、国内では週末に消費者物価指数 (CPI)の発表があり、「物価の低下となれば、景気刺激策とともに 日銀の追加緩和期待となることも予想され、ドル・円の下値は限定され る」可能性もあるとの見方を示した。

--取材協力:池田祐美.

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