中国の増産勢い止まらず、アルミ需給は17年まで供給過剰へ-住友商事

住友商事は21日、世界のアルミニウム地金の 需給が2015年に64万トンの供給過剰になるとの予測を発表した。1月に まとめた過剰幅15万5000トンを上回る。主因は中国の余剰生産。従来 は16年までと予測していた供給過剰は17年まで続くとの見方を示した。

会見した軽金属事業部の山際真義地金チームリーダーは「中国内の 需要があまり良くないということもあるが、増産は思ったよりも加速し ており供給面の問題の方が大きい」と説明した。今年の中国国内の需給 バランスは153万3000トンの供給過剰と、前年比で2割弱拡大するとみ ている。

こうした中国の余剰生産により、同国からのアルミ製品やアルミ地 金の原料に使用される溶解用アルミ板などの輸出が急拡大している。そ の結果、アジア地域で余剰となったアルミ地金が韓国や日本に流れ込 み、日本国内のアルミ在庫は歴史的な高水準に達している。

中国では、赤字の製錬所も多い一方で、地方政府が電力代の融通な どといったさまざまな手段で支援していることが増産の背景にあるとい う。地方では雇用創出のほか、工場として稼働させることでの経済効果 を優先し、高コスト体質の製錬所の統廃合が本格的に進んでいないのが 実情という。

15年の世界アルミ需給は供給量が前年比5.7%増の5468万7000ト ン、需要量が同5.4%増の5406万6000トンと予測。供給過剰幅は16年 に78万9000トンに拡大し、17年も47万5000トンの供給過剰が続くと予 測。07年から17年まで10年連続の供給過剰が続く見通しだ。

一方、山際氏は人民元の切り下げの影響については「今回の切り下 げで終わりであれば、それほど大きな影響はない」とし、中国のアルミ 製品の輸出をさらに押し上げる要因にはなりにくいとの見方を示した。

6年ぶり安値

ロンドン金属取引所(LME)のアルミ相場(3カ月物)は19日、 1トン当たり1549ドルまで下落し、09年7月以来となる6年ぶりの安値 を付けた。

こうした事態に山際氏は「アルミ価格が下げすぎであるのは事実。 製錬コストを考えると2000ドルが通常の価格帯」と指摘。その上で「ど こで底を打つのか、どこで具体的な減産に移っていくのかが今後半年か ら1年の動きになる」と述べた。

同社では10-12月期のLMEアルミ価格の平均は同1800ドル、16年 上期は1850ドル、下期が1950ドルと予測している。