村上世彰氏らの社外取締役選任案を否決-黒田電臨時株主総会

更新日時

電子部品商社の黒田電気が21日に開いた臨時 株主総会で、社外取締役に村上世彰氏ら4人の選任を求める議案が 約60%の反対票によって否決された。同社経営陣は反対を表明してい た。結果を受けて同社株は急落した。

総会後に黒田電気の持丸守業務執行役員は記者団に、「投資家向け 広報活動をこまめにやっていて、外国人投資家にも戦略を理解してもら っている」と語った。同社の外国人株主は2015年3月期末時点で全体 の43%強を占める。同社株は一時、11年3月以来の日中下落率となる前 日比10.4%安まで急落した後、8.3%安の2350円で取引を終えた。

議案は6月、世彰氏の長女でもある村上絢氏が最高経営責任者 (CEO)を務めるC&Iホールディングスが提出した。資本政策や成 長戦略に改善の余地があり、株主に対し今後3年間の利益100%還元や 電子部品業界の再編を黒田電がリードし、企業の合併・買収(M&A) を積極展開するよう求めた。村上世彰氏やC&Iの共同株式保有割合 は、7月17日の大量保有報告書によると16.1%。

黒田電気は21日、「臨時株主総会を終えて」と題した声明を発表。 新分野の開拓も進めるとした上で、M&Aや事業提携は手段であって目 的ではないと指摘。会社の発展につながる場合は実施するべきものだ が、一定の期間に一定の予算を予め割き、使い切ることを前提に検討す るべきではないとの見解を示した。

同社はこれまでにも、事業内容に対する村上氏側の理解不足を指摘 するとともに、過去に証券取引法違反で有罪判決を受けた世彰氏は役員 として不適格な人材だと主張していた。

刺激もたらし評価

総会後にC&Iの村上絢氏は、引き続き黒田電気のガバナンスを行 い、株主価値向上に取り組むと、ウェブサイトにコメントを発表した。 また、黒田電気の村橋和哉執行役は記者団に、賛成票が約40%となった ことについて、村上氏側の保有分を含めての数字との認識を示した上 で、「村上氏との株主という関係に変わりはない。今後も提案あれば対 応する」と話した。

京都大経営管理大学院の川北英隆教授は電話取材に、「黒田電気の ようにキャッシュリッチな会社はほかにもあり、その使途を株主に示し ていかなければならない」と述べた。また、いろいろな投資家がいて市 場は活性化するとし、今回の株主提案についても「刺激をもたらしたこ とは評価している」と話した。

米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダ ー・サービシーズ(ISS)は賛成を推奨。現経営陣からは巨額の余剰 金などについて本質的議論が不足し、4人が新たに加われば、業界の状 況やバランスシートの管理などで新たな見方を与えてくれるだろうとし た。一方、グラスルイスは「村上氏らの提案は説得力がなく、100%の 株主還元は現実的ではない」などとし、反対の考えを示し、意見が分か れていた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE