ウォール街で最も高給取りのCEOは大人用おむつに強気

米ギャムコ・インベスターズの創 業者で最高経営責任者(CEO)を務めるマリオ・ガベリ氏を、米紙ウ ォールストリート・ジャーナル(WSJ)が興味深い形で紹介してい る。

個別物色より株価指数に連動する投資が幅を利かせつつある昨今、 ガベリ氏(73)はしっかりとしたリサーチに基づく銘柄選択でここ数 年、成功を収めている。ウォール街で最も高給取りのCEOである同氏 が強気なのは大人用おむつだ。ベビーブーマー世代がガベリ氏のような 白髪が似合う年齢になるということだけが理由ではない。新興市場だ。 使い捨ての赤ちゃん用おむつ市場が飽和状態になっている米国より、成 長余地はずっと大きい。

米キンバリー・クラークは、中国と東欧でのおむつ売り上げが直近 の四半期で30%増えた。同社を含め多くの多国籍企業はドル高が売上高 に与える影響に苦しんでいるが、外貨安に対応した製品値上げがこの売 り上げ増加をけん引した。

ただガベリ氏の投資はもっと集中的かつ大胆だ。おむつに使われる プラスチックフィルムを生産する米トレデガーの株式をギャムコは16% 買い集めている。

この小型株への投資は当初、大成功を収めた。ガベリ氏が初めてト レデガーに出資したのは1994年で、株式約6.9%を取得。同銘柄は99年 4月までに800%を超える上昇となった。だがその後、株価は急落し、 ピーク時の水準を一度も回復していない。トレデガー株は2013年に記録 した直近の高値からも50%余り下げている。プラスチックフィルム事業 がブラジル工場で問題を抱えているほか、新製品ラインの立ち上げも遅 れている。

ギャムコの470億ドル(約5兆8000億円)に上る運用資産全体に比 べれば、トレデガー株への投資は小さいが、ガベリ氏は心を込めてこの 会社に資金を投じている。

トレデガーを銘柄調査の対象とするアナリストが少ないことから、 同社が行う電話会議は一般的に短時間だ。だが、ガベリ氏はその電話会 議に参加することで知られている。3月の決算発表時には当時のトレデ ガーCEOに直接声を掛けられ、「参加が遅れてしまった。電話会議が あり過ぎるからね。でもいつもこの会社の話は聞きたいと思っている」 とガベリ氏は話した。

トレデガーは8月19日、暫定CEOが正式なCEOに就任する人事 とプラスチックフィルム部門社長の退社を発表。同社の株価は下落し、 3年ぶり安値となった。おむつに強気でいることは、面倒なことかもし れない。

原題:An $89 Million-A-Year Stock Picker Is a Bull on Adult Diapers(抜粋)

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