米国株:大幅安、S&P500種はレンジ割り込む-世界成長懸念

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20日の米株式相場は大幅安。S&P500種株 価指数は2014年2月以降で最大の下げとなり、今年に入り長く同指数を 支えてきた取引レンジを割り込んだ。世界の成長減速をめぐる懸念が強 まった。

S&P500種は3月以降続いていた70ポイントの取引レンジを割り 込み、2035.73に下げて終了した。同指数は年初来の上げを消し、5月 に付けた最高値を4.5%下回る水準となっている。200日移動平均を下回 り、取引終了までに戻すことができなかった。同移動平均を下回ったま ま終了したのは7月9日以降で初めて。

ノースコースト・アセット・マネジメントのヘッドトレーダー、フ ランク・インガーラ氏は「きょうまで取引レンジの下限も上限も破るよ うな材料はなかった」とした上で、「問題は、これが下向きの方向へと 突き進むきっかけとなるのか、それとも再びレンジ内に戻るのかという ことだ」と続けた。

S&P500種以外の主要指数も大きく下げた。ダウ工業株30種平均 は358.04ドル(2.1%)安の16990.69ドルと、昨年10月以来の安値。ナ スダック100指数は2.8%下げた。シカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は4日連続で上昇し、こ のままいけば週ベースでは年初以降で最大の上げとなる。

ネットフリックスが安い。またアナリストによる投資判断引き下げ でディズニーが下げるなどメディア株は調整局面入りした。ナスダッ ク・バイオテクノロジー指数も1カ月前に付けた最高値から10%超下落 し、調整局面入り。フィラデルフィア半導体指数は6月の高値から20% 超下落し、弱気相場入りとなった。

S&P500種の動き

景気回復の兆候や中央銀行の政策に支えられ、S&P500種は50 日、100日、200日移動平均をおおよそたどる形でレンジ内の推移を続け てきた。

ただこの日は新興市場の低迷が深刻化する中でS&P500種は200日 移動平均を下回った。カザフスタンは通貨テンゲの為替相場管理を断 念、変動相場制への移行を発表した。途上国は、商品輸出価格の急落や 中国の突然の人民元切り下げへの対応に苦慮している。

通貨安や中国の成長減速を受けて、シティグループは2016年の世界 成長率予想を3.1%と、従来の3.3%から下方修正した。これで3回連続 での下方修正となる。15年については2.7%で据え置いた。

懸念材料

カブレラ・キャピタル・マーケッツの国際トレーディングディレク ター、ラリー・ペルッツィ氏は「現在は期待できる事柄より懸念材料の 方がずっと多い」とし、「世界の成長をめぐる懸念があり、米公開市場 委員会(FOMC)議事録を受けて政策金利についてやや不透明感が広 がった。また原油が40ドルを割り込みそうな状況も影響している」と続 けた。

世界経済の減速で米当局の利上げ開始時期が先延ばしされる可能性 がある。前日公表されたFOMC議事録では、当局者らは雇用は改善し ているものの根強く続く低インフレを懸念していることが示された。ト レーダーの間で現在織り込まれている9月会合での利上げ確率は34% と、議事録公表前の50%から低下した。

VIXは26%上昇の19.14。週初からは49%上げており、このまま いけば週間では昨年12月以降で最大の上昇となる。

S&P500種の業種別10指数は全て下落。金融株指数は2.1%安。情 報技術株指数も大きく下げた。

原題:S&P 500 Drops Below Trading Range as Global Selloff Intensifies(抜粋)

--取材協力:Camila Russo、Lu Wang.