8月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで続落、9月米利上げ観測が後退

20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。トレーダーが来 月の利上げ見通しを後退させていることが背景だ。

ドルは対ユーロで下落。6月以来の水準に下げた。新興市場の波乱 は米国株にも広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表し た連邦公開市場委員会(FOMC、7月28-29日開催)の議事録によれ ば、当局者は利上げに必要な条件が満たされてないと考えていることが 示唆された。

みずほフィナンシャルグループの為替セールス担当ファビアン・エ リアソン氏(ニューヨーク在勤)は「米金融当局が不透明感を抱いてい ることが強調されていた。市場参加者は9月利上げを見込んでいたが、 今は12月に後ずれさせている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは主要16通貨の大半に対して 下落。対ユーロでは1.1%下げて1ユーロ=1.1242ドル。対円では0.3% 下げて1ドル=123円40銭。

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、市場に反映されている9月会合での利上げ確 率は36%と、議事録公表前の約50%から低下した。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドなど大口投機家によるドルのネットロングは11日までの1週間に43 万7635枚と、2月3日終了週以来で最大だった。

ドルが反転も

JPモルガンの外為・金利戦略責任者のジョン・ノーマンド氏は 「ドルは米国以外の経済の弱さに支えられている」と述べ、「これがど れほど続くのかは疑問だ。ドル高に反応し米景気が悪化した途端、ドル が反転することになるだろう」と続けた。

FOMC議事録では、大半の参加者が「政策を引き締める状況には 依然達していないと判断したが、その状況に近づきつつあるとの認識を 示した」と記された。

野村ホールディングスの通貨調査担当マネジングディレクター、イ ェンス・ノルドビグ氏は「議事録は当局者の慎重な姿勢を新たに示し、 当局はインフレが目標値に回帰するとの確信を抱くためにはさらに情報 が必要だとの見解を示した」と述べた。

原題:Dollar Bull Herd Exposed as September Fed Rate-Rise Odds Shrink(抜粋)

◎米国株:大幅安、S&P500種はレンジ割り込む-世界成長懸念

20日の米株式相場は大幅安。S&P500種株価指数は2014年2月以 降で最大の下げとなり、今年に入り長く同指数を支えてきた取引レンジ を割り込んだ。世界の成長減速をめぐる懸念が強まった。

S&P500種は3月以降続いていた70ポイントの取引レンジを割り 込み、2035.73に下げて終了した。同指数は年初来の上げを消し、5月 に付けた最高値を4.5%下回る水準となっている。200日移動平均を下回 り、取引終了までに戻すことができなかった。同移動平均を下回ったま ま終了したのは7月9日以降で初めて。

ノースコースト・アセット・マネジメントのヘッドトレーダー、フ ランク・インガーラ氏は「きょうまで取引レンジの下限も上限も破るよ うな材料はなかった」とした上で、「問題は、これが下向きの方向へと 突き進むきっかけとなるのか、それとも再びレンジ内に戻るのかという ことだ」と続けた。

S&P500種以外の主要指数も大きく下げた。ダウ工業株30種平均 は358.04ドル(2.1%)安の16990.69ドルと、昨年10月以来の安値。ナ スダック100指数は2.8%下げた。シカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は4日連続で上昇し、こ のままいけば週ベースでは年初以降で最大の上げとなる。

ネットフリックスが安い。またアナリストによる投資判断引き下げ でディズニーが下げるなどメディア株は調整局面入りした。ナスダッ ク・バイオテクノロジー指数も1カ月前に付けた最高値から10%超下落 し、調整局面入り。フィラデルフィア半導体指数は6月の高値から20% 超下落し、弱気相場入りとなった。

S&P500種の動き

景気回復の兆候や中央銀行の政策に支えられ、S&P500種は50 日、100日、200日移動平均をおおよそたどる形でレンジ内の推移を続け てきた。

ただこの日は新興市場の低迷が深刻化する中でS&P500種は200日 移動平均を下回った。カザフスタンは通貨テンゲの為替相場管理を断 念、変動相場制への移行を発表した。途上国は、商品輸出価格の急落や 中国の突然の人民元切り下げへの対応に苦慮している。

通貨安や中国の成長減速を受けて、シティグループは2016年の世界 成長率予想を3.1%と、従来の3.3%から下方修正した。これで3回連続 での下方修正となる。15年については2.7%で据え置いた。

懸念材料

カブレラ・キャピタル・マーケッツの国際トレーディングディレク ター、ラリー・ペルッツィ氏は「現在は期待できる事柄より懸念材料の 方がずっと多い」とし、「世界の成長をめぐる懸念があり、米公開市場 委員会(FOMC)議事録を受けて政策金利についてやや不透明感が広 がった。また原油が40ドルを割り込みそうな状況も影響している」と続 けた。

世界経済の減速で米当局の利上げ開始時期が先延ばしされる可能性 がある。前日公表されたFOMC議事録では、当局者らは雇用は改善し ているものの根強く続く低インフレを懸念していることが示された。ト レーダーの間で現在織り込まれている9月会合での利上げ確率は34% と、議事録公表前の50%から低下した。

VIXは26%上昇の19.14。週初からは49%上げており、このまま いけば週間では昨年12月以降で最大の上昇となる。

S&P500種の業種別10指数は全て下落。金融株指数は2.1%安。情 報技術株指数も大きく下げた。

原題:S&P 500 Drops Below Trading Range as Global Selloff Intensifies(抜粋)

◎米国債:続伸、世界株安で逃避需要-TIPS入札で旺盛な需要

20日の米国債相場は続伸。インフレ連動国債(TIPS)入札では インフレ期待が弱まる中でも需要が強く、海外の中央銀行を含む間接入 札者の落札に占める割合が過去最高となった。

株式相場の下落を背景に逃避需要が強まり、米国債は午後1時の入 札締め切り前から既に長期債を中心に上昇していた。

5年物TIPS入札(発行額160億ドル)では投資信託も含む間接 入札者の割合が76.4%と、過去最高を記録した。

バークレイズのグローバル・インフレ連動調査責任者、マイケル・ ポンド氏は「単に割安だったからだ。全般にリスクを回避する流れが続 いている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.07%。同年債(表面利率2%、償還2025年8 月)は1/2上げて99 3/8。

30年債利回りは約7bp低下の2.74%と、4月以来の低水準に近づ いた。

オーストラリアや日本、ドイツ、英国の国債も上昇した。カザフス タンが通貨テンゲの為替相場管理を断念。新興市場経済が受けているス トレスを示す新たな例となった。

インフレ期待

通常の10年債とTIPS10年物の利回り差は1.53ポイントと、1月 以来の最小となり、インフレ期待の低下を示唆した。

米国債は月初からも上昇しており、このまま終えれば2カ月連続の 上昇となる。利上げ先送り観測が背景にある。

米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、7月28-29日開催)の議事録によれば、大半の参加者が 「政策を引き締める状況には依然達していないと判断したが、その状況 に近づきつつあるとの認識を示した」と記された。

CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「議事録で金融当局が9月の会合で利上げを開始するとの 見解に深刻な疑問が生じた」と述べた。

引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの仮定を基にすると、9月16-17日の次回FOMC で利上げが決定される確率は34%として金利先物市場は織り込んでい る。前週末は48%だった。

原題:Treasuries Gain as TIPS Draw Record Bid Amid Flight From Turmoil(抜粋)

◎NY金:大幅続伸、1カ月ぶり高値-議事録で9月利上げ観測が後退

20日のニューヨーク金先物相場は大幅続伸し、1カ月ぶり高値。前 日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を受けて、9 月利上げ観測が後退した。

ICBCスタンダード・バンクの貴金属ストラテジスト、トム・ケ ンダル氏(ロンドン在勤)は電話取材に対し、「9月利上げへの期待は 薄れ、焦点は12月に絞られつつある。それが金への買いを促している」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比2.2%高い1オンス=1153.20ドルで終了。一時は1153.70 ドルまで上昇し、7月15日以来の高値に達した。

銀先物12月限は2.2%高い15.562ドル。プラチナとパラジウムも上 昇した。

原題:Gold Climbs to One-Month High as Bets Fall on U.S. Rate Increase(抜粋)

◎NY原油:反発、ドル下落で商品の投資妙味が上昇

20日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は反発。9月の米利上げ観測が後退したことで ドルが下げ、価値保存手段としての商品投資の妙味が高まった。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエ ネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は電話取材に対し、「米金利 が9月に上昇する可能性が低くなったとの見方が商品市場を支え、特に 金などの貴金属に買いが入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比34セント(0.83%)高い1バレル=41.14ドルで終了。同限月はこの 日が最終取引。中心限月の10月限は5セント上昇の41.32ドル。

原題:Oil Rebounds From Six-Year Low as Investors Curb Rate Gain Bets(抜粋)

◎欧州株:続落、世界的な景気懸念で-英FTSE100は調整局面入り

20日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は2 日連続で下げた。世界経済が減速しつつあるとの懸念が強まったほか、 米利上げ開始時期をめぐる不透明感が相場押し下げ要因となった。

週明けに見られた欧州株の上げは、新興市場株の混乱拡大で長続き しなかった。中国が先週に人民元を切り下げた影響で、カザフスタンは 自国通貨の相場管理を断念。英国株の指標であるFTSE100指数はこ の日、8営業日続落となった。4月に付けた過去最高値からの下落率 が10%に達し、いわゆる調整局面に入った。

クレアインベスト(ジュネーブ)の共同創業者でファンドマネジャ ーのイオンマーク・バラフ氏は、「中国の景気減速と相場下落、原油 安、こうした全ての影響が欧米に波及するとの懸念など、さまざまな要 因が組み合わさって株式を押し下げている」と語った。

ストックス600指数は前日比2.1%安の373.44で取引を終了。中国が 先週に元を実質切り下げて以降の下落率は6.6%に達した。

投資家らが米利上げ開始時期を見極めようとする中で、市場のボラ ティリティも高まっている。前日公表された7月の米連邦公開市場委員 会(FOMC)議事録からは、9月に利上げがあるかの新たなヒントが あまり得られなかった。

この日の西欧市場では、ドイツのDAX指数が5営業日続落し、7 カ月ぶり安値を付けた。輸出銘柄の下げが目立った。

欧州個別銘柄では、風力タービンを手掛けるスペインのガメサと、 デンマークのベスタス・ウィンド・システムズが大幅安となった。両銘 柄の投資判断をクレディ・スイス・グループが引き下げた。

原題:European Stock Selloff Intensifies Amid Global Growth Concern(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ国債が下落、首相が総選挙提案へ-ドイツ債は上昇

20日の欧州債市場ではギリシャ国債が下落。チプラス首相が解散総 選挙を提案すると、ギリシャ政府当局者が明らかにしたためだ。

正式にまだ発表されていないとして匿名を条件に語った同当局者に よれば、9月20日の選挙実施の意向を示す見通し。反緊縮策を掲げて1 月に就任した同首相は、党分裂の危険を冒して救済策の条件である一連 の経済改革を受け入れた。イタリア国債もこの日、下げた。

キャンター・フィッツジェラルド(ダブリン)の債券ストラテジス ト、オーウェン・カラン氏は「ギリシャに関するニュースに加え、この 日午後の弱いセンチメントで、終盤に売り浴びとなった」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ギリシャ2年債利回りは前日比132ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の12.79%。同国債(表 面利率3.375%、2017年7月償還)価格は1.845下げ84.965。

10年物国債利回りは21bp上昇し9.56%。同年限のイタリア国債利 回りは2bp上げ1.82%となった。

ラボバンクの欧州金利戦略責任者、リチャード・マクガイア氏(ロ ンドン在勤)は電子メールで配布した顧客向けリポートで、周辺国債の この日の売りは、ギリシャで「選挙活動が始まれば改革が後回しにされ る」との懸念を受ければ「当然だ」と記した。

一方、欧州債の指標とされるドイツ10年債は上昇し、利回りは4b p低下の0.58%。一時は0.57%と、6月2日以来の低水準となった。前 日公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、利上 げ開始見通しが後退したことが背景にある。

原題:Greek Bonds Fall With Italy’s as Tsipras Said to Plan Elections(抜粋)