ギリシャ首相が辞意表明、総選挙実施へ-求心力の回復目指す

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ギリシャのチプラス首相は解散総選挙を実施 するため、辞意を表明した。第3次救済をめぐる議会採決で、自身が率 いる急進左派連合(SYRIZA)から造反者が出たことを受け、求心 力の回復を狙う。

チプラス首相はテレビ演説で、「今こそ、ギリシャ国民は自らの意 思を示す必要がある」とし、「あなた方国民の投票により、われわれを 待ち受ける困難ではあるが希望ある道を誰がどう率いていくのか、あな た方自身が示すことになる。投票により、われわれ全員を判断するの だ」と語りかけた。

演説終了後、チプラス首相は現地時間午後8時50分(日本時間21日 午前2時50分)ごろに官邸を後にし、パブロプロス大統領に辞表を提出 した。政府当局者は先に、総選挙は9月20日にも実施される可能性があ ると述べていた。

チプラス首相は就任からの8カ月間、混乱に苦しみ経済は破綻の瀬 戸際に陥ったものの、テレビ演説では第3次救済にユーロ圏諸国からの 債務救済検討のコミットメントを結び付けたことなど自身の成果を強調 した。

反応

今回の発表に関する市場の反応は弱くS&P500種株価指数は下げ 基調が続いた。ギリシャ債相場は下落して10年債利回りは21ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し9.56%。

資本規制を招いた国民投票に続いて再度選挙が行われる見通しとな ったことで不確実性をもたらす要因が浮上した。米格付け会社ムーディ ーズはチプラス首相の発表について、救済プログラムの実行に懸念を高 める恐れがあるなどと指摘した。

一方で欧州の指導者の間では、今回の発表は前向きに受け止められ たもようだ。メルケル独首相は訪問先のブラジルのルセフ大統領に対 し、「チプラス首相辞任は解決策の一環であって危機の一部ではない」 と述べた。ルセフ大統領がブラジリアで記者団に明らかにした。

チプラス首相にとって解散総選挙は、救済条件の履行状況や国際支 援の追加分実行の必要性に関する10月の審査を前に与党内の造反勢力を 抑える機会になる。

SYRIZAの造反者であるディミトリス・ストラトゥリス氏は強 硬派閥のレフト・プラットフォームが離党し、別の旗印の下で選挙に臨 む方針を示した。同氏はスカイテレビで、ギリシャ国民は投票で「反緊 縮」に賛成票を投じる機会を得るとコメントした。

アクシア・ベンチャーズ・グループのアナリストらは、総選挙の勝 者が欧州連合(EU)寄りの全ギリシャ社会主義運動(PASOK)、 ポタミ(川)といった比較的小規模の政党の支持を得られれば「強力な 連立政権を構築でき、改革を実行できる」と予想した。

原題:Tsipras Quits and Calls for Early Vote to Bolster Power Base (2)(抜粋)

--取材協力:Maria Petrakis.

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