ドルが1カ月ぶり123円台割れ、中国懸念でリスク回避の円買い

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東京外国為替市場では、ドル・円相場が約1 カ月ぶりに1ドル=123円台を割り込んだ。中国景気の減速懸念を背景 に、アジア株がほぼ全面安となっており、リスク回避の円買い圧力が強 まった。

21日午後3時50分現在のドル・円相場は122円98銭付近。一時は122 円81銭と、7月13日以来の水準まで円高が進んだ。中国と経済的な結び 付きが強いオーストラリア・ドルは対円で一時1豪ドル=89円73銭前後 と、7月28日以来の安値を付けた。米ドルに対しては一時1豪ドル =0.7287ドルと、朝方に付けた0.7340ドルから水準を切り下げている。

大和証券金融市場調査部の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「中 国絡みの懸念がリスクオフを生んで、円高の展開になっている」と説 明。「中国は短期的にでも国内需要を回復させるような手を打つしかな い」とし、具体策が出るまでは円高圧力がかかりやすく、ドル・円相場 は月内にも122円付近まで円が水準を切り上げる可能性もあるとみる。

財新伝媒とマークイット・エコノミクスが21日に発表した8月の中 国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は47.1。市場予想中央値 は48.2、7月改定値は47.8だった。同PMIは50を下回ると、製造業活 動の縮小を示す。

21日の東京株式相場は4日続落し、日経平均株価は約1カ月ぶりに 2万円を割り込み、前日終値からの下げ幅を600円近くまで広げて取引 を終えた。中国株も上海総合指数が続落している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、「中国を含めた新興国全体の景気悪化懸念でオセアニア通 貨や新興国通貨に対して円高が進む展開になっている」とし、目先 は122円台半ばまでのドル安・円高もあり得ると指摘。ただ、ドルも同 時に買われやすいと言い、「基本的にドル・円のトレンドを判断するに は金融政策の違いが埋まるのか埋まらないのかというところ」と話す。

ユーロ上昇

この日のユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.1295ドルと6月23日 以来の水準までユーロ高・ドル安が進んだ。

ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジス ト(ロンドン在勤)は、「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)ま では8月の雇用統計などまだデータがあるが、それまでは決定的な統計 が出ない」とし、今まで人気のあったポジションの調整でユーロやポン ドが買われやすいと話した。

ユーロは対円でも一時1ユーロ=138円84銭と、14日以来の高値を 付けた。大和証の亀岡氏は、「ユーロは低金利を背景にキャリートレー ドの調達通貨として売られてきた分、リスク回避になると買われる構図 になっている」と説明する。

--取材協力:西前 明子、池田祐美.

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