エコノミストが相次ぎ下方修正、日銀の強気浮き彫りに

4-6月の実質国内総生産(GDP)が3期 ぶりのマイナスとなったのを受けて、2105年度の成長率見通しを下方修 正する民間エコノミストが相次いでいる。強気の見通しを立てている日 銀との違いがより鮮明になってきた。

下方修正したのは、野村証券、BNPパリバ証券、メリルリンチ日 本証券、ニッセイ基礎研究所など。この結果、エコノミストの15年度成 長率見通しの中央値は1.2%となり、日銀の見通し1.7%との差が一段と 開いた。

日銀が、10月末に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート) で成長率をさらに下方修正することになれば、追加の金融緩和の憶測を 強める可能性がある。原油価格など商品価格の下落で物価上昇率の見通 しは不透明になっており、成長率の減速は日銀にとって逆風となる。

JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは「成長率の下方 修正によって日銀はより苦しいところに追い込まれる」と指摘、「日銀 の物価達成目標にとってのリスクが増える中で、今後追加緩和観測は増 加する」と述べた。

ブルームバーグが 7月27日から8月3日にかけてエコノミスト37 人を対象に実施した調査によると、10月30日の金融政策決定会合で追加 緩和に踏み切ると予想したのは12人だった。

物価の逆風

足立氏は、成長率見通しを下方修正しても日銀は今の金融政策を維 持する可能性もあるとみる。日本経済は0.5%の潜在成長率を上回る成 長をなお続けており、需要が供給を上回る中で物価上昇圧力は強まると の見方ができるためだ。

関係者によると、生鮮食品を除く物価上昇率2%の目標を達成する ために金融政策を調整する必要があるかは、夏場の景気の持ち直しの見 極めが重要になると日銀はみているという。

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは、4-6月 GDPで個人消費や輸出が落ち込んだ後、夏場に再び成長軌道に戻るか どうか不透明感が強いとみている。

7月の貿易収支によると、中国経済の減速で輸出が伸び悩み、同月 の消費者態度指数は1月以来の低水準に落ち込んだ。ブルームバーグ調 査によると、28日総務省が発表する全国の消費者物価指数(生鮮食品を 除く)は0.2%の低下が見込まれている。