TOPIX4カ月半ぶり安値、世界景気警戒で全業種下げ

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21日の東京株式相場は全面安で4日続落し、 TOPIXは4カ月半ぶりの安値。中国など世界経済の先行きに対する 警戒から投資家のリスク回避の動きが強まり、銀行や保険など金融株、 精密機器や海運など海外景気敏感業種中心に東証全33業種が安い。

TOPIXの終値は前日比50.87ポイント(3.1%)安の1573.01、 日経平均株価は597円69銭(3%)安の1万9435円83銭。両指数とも下 落率は7月8日以来の大きさ。TOPIXは4月6日以来、日経平均は 5月8日以来3カ月半ぶりの安値水準。日経平均の終値での2万円割れ は7月10日以来。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最 高投資責任者は「中国の高成長はいつまでも続かないことは分かってい たが、市場は政府がコントロールできると思っていた」と言う。しかし 構造改革を進める中では同国で公共投資などの景気対策が出てくる可能 性は低いことから、「中国経済のハードランディングに対する警戒があ る」とみていた。

21日午前に発表された8月の中国製造業購買担当者指数(PMI) 速報値は47.1と、市場予想48.2を下回った。これを受けて中国上海総合 指数は前日に比べて4%超まで下落。米S&P500種株価指数は前日 に2014年2月以降で最大の下げを記録していたが、シカゴ24時間電子取 引システムのS&P500種株価指数先物は日本時間で基準価格比0.6%安 と軟調に推移。景気懸念による世界的な株安が長期化することへの懸念 が出ている。

世界景気見通しは下方修正も

「中国の7%成長は難しそうだ。これから世界成長の見通しもカッ トされるだろう」と、アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミ ストは語る。タイやマレーシアなど中国に多くを頼っているアジアの国 々に悪影響が及ぶことで、「アジアへの輸出が4割ほどある日本の見通 しは良くない」と言う。

一方、米労働省が20日に発表した先週の米新規失業保険申請件数は 前週比で増加し、米コンファレンス・ボードが発表した7月の米景気先 行指標総合指数は予想外に低下した。19日に米連邦公開市場委員会 (FOMC)の7月会合議事録が公表されて以降、利上げを正当化でき るだけの力強さが米経済に備わっていないとの動揺も広がっている。

SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは「米国では景 気指標が良ければ利上げが近づくことで株が売られ、景気指標が悪けれ ば景気・企業業績への懸念で株価が下がる」と指摘する。利上げが基本 的に意識される時期はマーケットは悪いほうに解釈しがちだとして、 「投資家はポジションをとりにくい」と言う。株価の予想変動率の指標 で投資家の不安心理を示す米シカゴ・オプション取引所のボラティリテ ィ指数(VIX)は20日に25%上昇し、6月29日以来の上昇率となっ た。

金融株の下げ目立つ

為替市場では中国景気懸念や米利上げ観測の後退からドルが売られ やすくなっており、この日のドル・円相場は一時1ドル=122円81銭 と、7月13日以来のドル安・円高水準となった。

幅広い業種が売られる中、東証1部の業種別下落率上位を金融4業 種が占めるなど、金融株の下げが目立った。「日本郵政上場が1兆5000 億円規模に達するとの観測が出てから日本株は下を向いている。銀行や 保険など金融業種は上場を前にして株価が上がっていたため、換金売り が出やすい」とも、SBI証の藤本氏は話していた。

東証業種別33指数では保険、その他製品、不動産、銀行、その他金 融、電気・ガス、証券・商品先物取引などが下落率上位。東証1部売買 代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、三 井住友フィナンシャルグループ、ソニー、第一生命保険、アルプス電気 が下落。東証1部の売買高は概算27億6527万株、売買代金は3兆1914億 円。上昇銘柄数はことし最少の33で、下落銘柄数はことし最多の1854と 全面安だった。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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