さようなら、9月利上げ説-FOMC議事録で市場の姿勢変化

9月説はもう消えた。

連邦公開市場委員会(FOMC)が来月政策金利を引き上げると読 んでいたトレーダーらは、19日に公表された7月会合議事録を受けて踵 を返した。7月会合の時点で政策当局者らは、利上げを正当化できるだ けの力強さが米経済に備わっているとの確信を得られていなかった。

ほぼ10年ぶりとなる利上げが約1カ月先に迫っていると思っていた トレーダーにとって、議事録から伝わるのは確信からほど遠いものだっ た。

先物市場に織り込まれている9月利上げの確率は19日に36%と、7 月以来の低水準に低下。その日の早い時間には約50%だった。この確率 は初回利上げ後にフェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%にな るという想定に基づく。12月会合、あるいはそれより前の利上げの確率 も65%に低下。18日には73%だった。

エネルギー価格の下落とドル高が債券市場でのインフレ見通しに下 押し圧力をかけている。FOMCが低インフレの長期化を協議していた ことが市場に伝わると、利上げ開始が差し迫っているとの予測に基づく ポジションが手じまわれた。19日より前の段階では、インフレに敏感に 反応する長期債のパフォーマンスが、金融政策の変化に敏感な短期債を 上回ると投資家らは予想していた。

「投資家はインフレに対するスタンスを変えた」と野村ホールディ ングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベス氏(ニューヨーク 在勤)は話す。「9月には動きそうにないとの感触が広がり始めてい る」と述べた。

人民元切り下げ、原油安の深刻化

スタンス変更に伴い、2年債に対する30年債のプレミアムは19日に 拡大し、8月12日以来の最大となった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「議事録は9月利上げを保証しなか った。一部の期待は裏切られた」と述べた。

9月利上げの可能性は完全になくなったのではない。しかしBMO キャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ニール・ボウハン氏 は、今月の人民元切り下げや原油安の深刻化の前に7月会合が開かれた ことを挙げ、いずれもインフレ期待を押し下げたと指摘した。FOMC が注目する市場でのインフレ指標は、7月29日から今月の議事録公表ま での間に2.05%だったが、1.91%に低下した。

ボウハン氏はリポートで、「会合が今開かれたとすれば、FOMC は現在の状況を快く受け止めないだろうと思わせる議事録だった。市場 はそのように受け止めた」と解説した。

原題:So Long September: Bond Traders Defer Their Date With the Fed(抜粋)

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