元切り下げ、米中関係への影響は一過性-悪化は利益にかなわず

中国が11日に予想外の人民元切り下げに踏み 切ったことで、これまで用心深く小康を保ってきたオバマ米政権が、真 っ向からの対中対立姿勢に転じるか、注目を浴びることになった。

両国は既に、中国による南シナ海での力の誇示やサイバー攻撃を通 じたスパイ活動、人権問題などの争点を抱えている。

だが、元切り下げが新たな通貨戦争につながり、世界1位と2位の 経済規模を持つ米中の関係が深刻な悪化に見舞われるような事態には至 っておらず、恐らく今後もそうなる公算は小さい。

オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)で対中政策について助言 した経歴を持つジェフリー・バーダー氏は「現時点で中国との対立を深 めたり、関係を悪化させたりすることはオバマ政権の戦略的な利益にか なわない」とし、「政権から見れば、中国は役立つ存在だ」と語った。

イラン核問題や気候変動対策などオバマ政権の優先課題にとって、 中国の協力はあまりにも貴重なものであり、人民元の価値をめぐるささ いな問題が対決の引き金となる事態は想定できない。

一方で、中国が包括的な経済転換の課題に取り組み、米国が政治の 季節を迎える中で、摩擦の芽は大きくなりつつある。

クリントン元政権でアジア問題の責任者を務めた米ブルッキングズ 研究所のケネス・リーバーサル上級研究員は、中国が直面する経済的な 課題を踏まえれば、習近平政権は「対米関係に必ずしもプラスとならな い方法で行動する」ことを意味するとの見方を示した。

原題:China’s Yuan Move Just a Passing Squall in Sino-U.S. Relations(抜粋)

--取材協力:David Tweed.

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